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南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

大谷鉱山跡地へ行く

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道草・寄り道・油売り        気仙沼にも白鳥はいるのだ。


  かつて、時の権力者から 文明も知らない野蛮人どもが住む『道の奥』 とさげすまれてきたのが当地でした。
 しかし、この地が資源の豊かな場所だと知られてからは、何度も征夷大将軍を先頭にして、略奪行為や住民の抹殺が繰り返され、蝦夷の抵抗も虚しく次第に朝廷の支配する地へと変わっていったわけです。
 そのメインターゲットは、金でした。
 南三陸地域には、数多くの金山が開発され、産出された金が中央政権によって運び出された歴史があります。
 現在、当地に金鉱山はひとつも稼働していないと思われます。
 閉山した理由は、金が完全に消失したわけではなくて、鉱石を掘り出し精錬に掛かるコストが金価格と見合わなくなったからです。
 だから今でも、沢を登って行くと趣味で砂金採りを行っている人たちをたまに見ることがあります。

 その中で、長い歴史から見るとごく最近まで稼働していたのが、気仙沼市本吉町の山中にある 大谷鉱山 です。
 はじめの目的では滝探しをするつもりで近くの山に入ったのですが、考えが甘く、雪がまだ残っていて侵入することが叶わず、やむなく目的地を変更して鉱山跡地を訪れることにしました。

 鉱山跡地へ行くと、まず鉱山事務所などがあったと思われる広場が目につきます。

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 上の画像は鉱山が最盛期だった頃と思われます。

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 精錬所の建物が山の上方に見えます。

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 昭和51年まで稼働していたというのだから驚き。
 その頃まではからくも経営が成り立つくらい金が採れていたんでしょうね。

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 資料が展示してあるという、気仙沼市大谷鉱山歴史資料館へ入ってみることにしました。
 こんな堅っ苦しい名前を付けるところがやっぱり役所なんですな。
 「大谷」なんだから、愛称でショウヘイと呼ぶとかしたら騙された客が入るかも・・・。
 笑えないギャグですんません。
 だいいち、ここは「オオヤ」 であって 「オオタニ」じゃねーし。

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 右の建物がそれ。
 博物館といったイメージは全く無くて、どっかのパッとしない会社の事務所といった感じ。

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玄関には、大昔の選鉱機なるものが置かれていました。
 こんなんで金をより分けて採取していたそうな。
 樋から土砂と水を流してやれば、金は石よりずっと重いので石板の窪みに溜まる仕掛け。

 玄関を入って靴をスリッパに履き替え、管理人さんに挨拶して入館。 気さくな人でほっと安心。 ちなみに入館料は無料。
 無料なんだから、スペクタクルなものを期待しちゃいかんということです。

 入館して初めて知ったことですが、この鉱山、地下深く7階建てで金を採掘していたらしい。
 下に掘っては、横に空間を広げ、そこで掘りつくすとまた下に掘っては横に広げ、という風にして、最深部は何と地上から400m以上も深いところまで採掘していたそうな。
 地図で調べると、完全に海面下であります。

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 この金鉱石で、1トンの鉱石に対して10gの純金が採取できたそう。
 これがどれくらいのレベルなのか、生まれついての貧乏人、金とは縁もゆかりもないゆえ、まったく知識がありません。

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 金というと、鉱石の間にごろッと入っているようなイメージを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、実際は虫眼鏡で覗き込まなければ見えないくらいの微小な大きさがほとんど。

 中には、同じ気仙沼市内の鹿折鉱山で採れた重量2.25kg、金の含有率83%というモンスターゴールドのようなものもないわけではありませんが、それは奇蹟的な出来事で、まず夢のまた夢なんでしょうね。

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 残念ながら精錬所跡に入るのは禁止されていました。
 年数が経ち、内部はかなりガタが来てると思われ。

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 これは何だろうか?
 素人が想像するに、いまだに使用されているところから、松尾鉱山同様、鉱毒で汚染され流れ出た水を中和する施設なのかも。 知らんけど。

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 もし近くを通りかかったら、興味のある人は立ち寄ってみてはいかが?
 気仙沼市本吉町高瀬ケ森 というところにあります。 三陸自動車道から少し山側です。


  宮城県気仙沼市  気仙沼市大谷鉱山歴史資料館




 
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  1. 2023/02/19(日) 22:09:59|
  2. 道草・寄り道・油売り

千厩川の源流を見に行く

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 道草・寄り道・油売り         合歓の木のほんわりした花を見ると夏を感じます。


 これといった目的地もなく、室根山周辺をバイクで走り回っていたら、いつか行ったことのある不動池入り口にたどり着きました。
 中へ入ってみると、

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 余計な草がきれいに刈り取られて公園のような感じ。

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 ここは、岩手県一関市室根地区の飛ヶ森という場所らしい。

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 これが不動の池。 千厩川の源流地になります。

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 看板にある通り、古からの池ではなく、人工池です。
 何度かの洪水により、本来の池は崩壊したらしい。

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 池に注ぎ込む水源の水。 不味くも美味しくもない、いたって普通の水。
 ここから千厩川を経て北上川に注ぎ込みます。

 これよりさらに上へ急斜面の階段を上がって行くと、

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 立願山神社という社があり、その横に3体の不動明王座像が並んでいます。

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 元々は奥の不動明王だけしかなかったらしいのですが、洪水により流され、その後、首から下だけが掘り起こされたものの、首がみつからないまま今日に至っているとか。

 不動明王といえば滝です。

 石像の横には、

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 岩の積み重なったガレ場があり、沁みるようにかすかに水が流れています。
 ここにかつては滝が流れていたのはほぼ間違いないと思います。
 こちらも何度かの洪水によって滝の岩盤が崩壊してしまったのでは。
 それから水脈が変わったのか、流れる水も消失したようです。
 できるものなら当時の様子を見たかったですね。



    岩手県一関市室根地区   不動の池・立願山神社






  1. 2022/07/30(土) 18:51:32|
  2. 道草・寄り道・油売り

碁石の中尊寺蓮

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 道草・寄り道・油売り


 確か昨年も紹介した碁石海岸へ行く途中にあるハス田です。
 旬のものなので、鮮度が落ちる前に貼っておきます。

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 時期とすれば、今が見ごろか。

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 岩手県内では何カ所かある中尊寺蓮のひとつ。

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 面積的には、田んぼ1枚分くらいではないか。
 宮城県の伊豆沼や長沼から比べたら数百分の一にも満たないかもしれません。
 しかし当地ではハスをほとんど見る機会が無いのでとても貴重な場所になっています。

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 ハスの花は朝開いて、午後には花弁を閉じてしまいます。
 だから、午前中が見ごろ。
 この画像は、仕事の都合上夕方になってしまいました。

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 碁石海岸へ向かう新しく作られた道路に乗ってしまうと、このハス田は見る事ができません。
 今までの旧道を素直に走って来ると、必ず見える場所にあります。

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 ハス田は、毎年徐々にその面積を拡大中です。
 周囲はまだまだ余裕があります。
 これから何年かしたら、観光客を呼べるようになるかもしれません。

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 ハス田のすぐ近くには駐車スペースがあり、数台の車が停まれそうです。

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 また、ここから歩いて2~3分の近さに、日本最長寿の 三面椿 があります。

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 周囲の環境がちょっとガチャガチャした場所なんで、画像的には背景に気を使います。

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 もっともっと面積が広くなれば、そんなことに気を使わなくても済むようになるはず。
 レンコン泥棒が来なきゃいいんですが。


    岩手県大船渡市末崎町    碁石の中尊寺蓮






  1. 2022/07/22(金) 21:28:04|
  2. 道草・寄り道・油売り

滝探しはつらいよ。 こんな日もあるさ。

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 道草・寄り道・油売り       通過途中の志津川湾の風景


 滝探しは、毎度行けば必ず当たるといったもんじゃありません。
 あるのかないのか分からないのが滝探し。
 近場の川ならはずれてもそれほどのダメージはありません。
 しゃーねーなー、で済んじゃいます。
 しかし遠くまで出かけて山に入った挙句、まったく滝が見つからないと、その影響はボディブローのようにじわじわ効いて疲労感が増します。。
 なので、僅かでも滝の手がかりがある山を優先して入って行くわけですが、こちらの思惑通りにはいかないことが多いのも事実。

 今回は、そんな敗退例を2つばかり紹介しようと思います。
 こちらとしては、その日滝が見つかるものだという前提で事を運んでいるため、ブログのフロント画像(アイキャッチ)になりそうな美しい風景だとか、きれいな花だとか、珍しい光景があれば一応その画像を撮っておくのが恒例。
 今回のフロント画像もそのひとつです。
 ところがその日これといった滝が見つからないと、せっかく撮った画像の使い道がなくなり、結局画像倉庫に死蔵されるだけになってしまいます。
 だから今回はそのハンパになった画像をたまには出してみようと思い立ちました。
 (滝はちょろっとしか出てきません。)


 まず1例目は、宮城県石巻市河北町にあるという 滝不動 という名前だけを目当てに何本かの沢に入った結果。

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 南三陸から海岸伝いにバイクを走らせて行くと、開けてなかなか美しい景色が次々に現れます。
 北三陸のゴツゴツした荒々しい海岸線と違って、こちらは女性的な穏やかさがあります。
 三陸自動車道を走っていたのでは見る事のできない景観。

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 こちらは追波湾を北から眺めた景色。
 右方向が北上川の出口。 左は太平洋。

 さらに進んで、

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 ここが岩手から宮城まで縦断して流れて来た新北上川の河口になります。(別に旧北上川の河口もあります。)
 因みに、対岸をもう少しだけ上流に行くと、東日本大震災で多くの児童が犠牲になった大川小学校があります。
 毎回近くを通るたび、何ですぐ裏にある山に逃げなかったんだろうと不思議な気持ちになります。 合掌。

 それで肝心の滝なんですが、こんなことをグダグダ書いていることからお判りのように、どこの沢に入っても見つけることが出来ませんでした。
 はじめっから何となくそんな風になるんじゃないかっていう嫌な予感はしていたんです。
 何せ、石巻市河北町辺りの山々は北上山地の端っこに位置するところ。
 傾斜が緩やかで低い山が多く、また奥行きもないんで水量が足らず、これといった滝が無い場所なんです。
 一番期待していた沢でも、どこに 滝不動 はあるんだろうと目を皿のようにして登ったのですが、気が付いたら牧草地が広がる頂上に達していました。
 仕方がないので そこで皆は何言うでもなく黙々と昼めしを食い、うなだれて下山しましたがな。
 こんなことは別に珍しくもないものの、毎回落胆するのは変わらず。

 帰りの峠越えで視線を感じバイクを止めると、

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 こちらを凝視するニホンカモシカでありました。

 
 さ、次行ってみよう!

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                 宮城県側から眺めた栗駒山。 これも漬物になっていた画像です。

 青春の挫折第2弾は、栗駒山編です。
 こちらは現場に来ただけで、「無理無理、ゼッテー無理。」 と諦めるのが早かった。

 栗原市、三迫川の上流に流れる 行者の滝。 有名滝です。
 観光客の一服スポットになっている場所。

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 岩手宮城内陸地震以来滝の流れる位置が変わってしまい、対岸の展望台からはよく見えなくなってしまいました。

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 この滝の上流、歩いて15分くらいのところには 女滝が流れています。

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 豪快さではこちらが上。
 でもやっぱり全体を見る場所がありません。
 大震災で岩盤が崩落してしまったので、それ以前とは形状が違います。

 問題はこれより上流にあるという名無しの大滝でした。
 我々は大いに期待して向かったのですが・・・。

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 何ということか、情報を得た時点では、ただの河原だった場所が、堰堤でせき止められた水が満々と湛えられているじゃありませんか。
 常時こうなのか、あるいは春の雪解けの頃だけなのか、は不明。
 しかし、ボ-トでもない限りこれ以上どうあっても進行は不能。
 諦めて立ち去るしかありませんでした。

 あっという間に計画がとん挫してしまった我々、しばし思案した後、冬期閉鎖になっていたいろは坂みたいな道路を走って、栗駒山のいわかがみ平へ登ったはいいけれど、霞んで良く見えない眺望にがっかりして、うっぷん晴らしに途中の温泉に浸かって帰りましたとさ。 

 滝が見つからないと何が楽しくてこんなことやってんだか、と思う時もありますが、気が付くと懲りもせず再びバイクにまたがって滝探しに向かってる滝見隊なのでありました。


     宮城県 石巻市 栗原市






  1. 2022/05/31(火) 19:35:32|
  2. 道草・寄り道・油売り

長安寺の福寿草 2022

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 道草・寄り道・油売り


  今シーズンの雪はとりわけ多く、いくら平地に積雪無しといっても、ちょっと山に入るとたちまち雪に阻まれてしまいます。
 我が滝見隊は名うてのヘタレ揃いなんで、雪深いところに敢えて滝見に行く根性なぞハナっから持ち合わせておりませんがな。
もういい加減冬にも飽きたんで、早く暖かくなってもらってどこかへ滝見に出かけたい気分。

 で、この日は休日。 家人に邪魔にされされ居間でゴロゴロしながら地元の新聞を眺めていたら、長安寺の福寿草の記事が載っておりました。
 え、もうそんな時期になったの? とちょっと慌てましたね。
 長安寺の福寿草は、風物詩のようにブログに載せていたので気になります。
 どうせ家にいても粗大ゴミ扱いなので、ちょっくら大船渡までバイクを走らせることにしました。

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 長安寺は大船渡市の山間にある古刹。 大きな寺院です。
 寺の近くには岩手開発鉄道の駅があり、客車も運行されていたそうなので、市街地からディーゼルカーに揺られて参拝に訪れる人もかつてはいたようです。
 やがて鉄道は自家用車に取って代わられ、現在、セメント工場へ石灰石を運搬する貨車だけが運行されています。
 駅舎はそのまま残っているようです。

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 この寺には見どころがたくさん。
 未完の山門をはじめ、イチョウやモミの巨木、紅枝垂れ桜の大木だとか、サルスベリの古木や境内の池で悠然と泳ぐ巨鯉だとか。

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 福寿草は思っていた以上に咲いていました。

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 さほど日当たりの良い場所ではないのですが、よくここまで広がったものです。

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 ただ、密生しているというわけでもありません。

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 バラバラと咲いている感じですね。

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 まだ寒さの残る時期なので、こういった鮮やかな黄色を見ると、春近しを感じほっこりします。

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 福寿草の咲く場所のすぐ上。 昨年も、その前にもあった穴。
 アナグマなんでしょうか、いまだに穴の中に住んでいるようです。

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 福寿草はこれからまだまだ咲いてくるように思われ。
 花だけが地面から出ている分には見栄えがいいですが、茎が伸びてくるとちょっと鬱陶しさも出始める感じ。
 因みに有毒なんで、春先の飢えたシカもさすがにこれだけは食べようとはしません。


 一方、近くの小川。
 ここも毎回ご紹介している バイカモ (梅花藻)が生えている小川です。

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 幅50cm足らずの文字通りの小川。
 源が伏流水なのか水質が抜群に良く、今ではあまり見る事の無くなったバイカモがたくさん流れに身を任せています。

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 食用可と聞いていたので、いつだったか家に持って帰って食べたことがあります。
 生で試すと、繊維質で、特にこれといった味はしませんでした。
 あるいは茹でたらいいのかもしれませんが、わざわざそこまでして食べるようなものではないような気がします。

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 ああ、早く春が来ねがなあ。


    岩手県大船渡市    長安寺の福寿草





  1. 2022/02/28(月) 20:05:26|
  2. 道草・寄り道・油売り

39度線上のありゃりゃ

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 道草・寄り道・油売り        碁石椿園の早咲き椿


 「岩手内陸の滝」を書き込み中ですが、一旦休憩して地元に戻ります。

 岩手県を通る北緯40度線をご存知でしょうか?
 北緯40度線は、岩手県の普代村を通過しています。 地元の海岸には40度線のモニュメントもあるので、割と知られているのでは。
 同一線上には中国の北京とかスペインのマドリードなどがあるらしい。

 それでは、北緯39度線はどこを通っているのでしょう?
 「そんなの興味ねえから はよ滝を出せ」 と思われる方もいらっしゃるでしょうが、少々お時間を。
 北緯39度線は、岩手県大船渡市の碁石海岸を通っているのです。
 ハンパな数字だし、このことは宣伝していないので、ごく一部の人間を除いてほぼ誰も知らない事実。
 
 北緯39度線の風景を見るため、まずは碁石海岸へ行ってみました。

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 大船渡市のシンボル的存在 穴通し磯。 日本国の切手にもなっています。

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 画像で見るよりずっと大きい。 初めて目にした時のインパクトは大きかった。

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 穴通磯は、観光客が訪れる碁石海岸中心部から離れた北のはずれにあります。
 奥に見えるのが大船渡湾の出入口に造られた湾口防波堤。

 北緯39度線の通る場所は、これよりやや南。

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 ここが現地。 赤土倉漁港。
 外側の堤防の上に登ると、

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 堤防の付け根には、いくつもの穴が開いた断崖。 海蝕洞というらしい。

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 堤防の外側には、碁石海岸の名勝のひとつ、巾着岩。

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 他の小島は皆角張ってゴツゴツしてるのに、なぜか巾着岩だけは丸い。

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 漁港内の断崖が赤っぽいことから 赤土倉 と付けられたのかも。 確証ありませんけど。
 東日本大震災で崖の一部が崩落しました。

 北緯39度線は、ほぼほぼこの付近を通るのは間違いなさそう。
 しかし正確を期すため、39.0.00地点に行ってみることに。
 漁港そばのつづら折れになった階段を登って行きます。

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 ずっと以前は、島にたくさん植物が生えていました。
 海鳥の糞害にやられたらしい。

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 高い場所にある展望台まで来ました。

 スマホのアプリで見ると、ここが39度線の真下(真上?)に違いないのですが、何故かそれらしき標識がありません。
 SNSでは黒くて四角な細長い標柱が建っていたはずなのに。
 北緯39度線上のアリャリャ。 どこ行ったんだろう?

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 もしかすると、地面にある四角な物が建っていた跡がそれなのでは。
 何らかの理由で標柱が倒れ撤去されたのかも。
 それとも39度線からずれた別の場所に立っていて、こちらが見逃しているのだろうか?

 その場所から眺めた景観。

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 因みに、ここから39度線を西へ辿って行くと、朝鮮半島の平壌にぶつかります。
 平壌と同じ緯度にあるといわれても、あまり嬉しくない。
 大っぴらに宣伝しないのは、このせいかも。


    北緯39度線  碁石海岸



 
  1. 2022/02/11(金) 12:07:59|
  2. 道草・寄り道・油売り

名勝 煙雲館の庭園

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 道草・寄り道・油売り 


 気仙沼市での滝探しの後、市内のホームセンターに立ち寄ったところ、偶然にも数年ぶりに高校の同級生と再会。
 僅か数万人の小都市なのに、会わないとなるとまったく会わない人が大勢います。
 これから煙雲館に行くつもりだけどよかったら一緒に行かないか、と誘われ彼の家族と同伴させてもらうことにしました。
 もし滝探しが首尾よくいっていたら行かなかったと思いますが、何の成果もあげられなかったため気分転換にいいかと。

 考えてみたら大震災後10年以上訪れたことがありません。
 それ以前には、確か2回ほど来たような記憶があります。 うろ覚え。

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 煙雲館は、宮城県気仙沼市松崎片浜にあります。 市中心部より南方向。
 海岸から200mくらい離れた場所。
 若干高台になっているので、津波の被害をまぬかれたようです。

 途中目立った案内表示はないので、初めての方は来にくいかも。

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 煙雲館とは、簡単に言えば伊達藩家臣の屋敷だったところ。

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 滅茶苦茶広いわけではありませんが、素晴らしい庭園があります。
 専門的には、回遊式池泉庭園というそうです。
 築山の周囲を池で囲み、その外周にもたくさんの庭木を配した構造。

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 時期とすれば すでに紅葉のピークは過ぎています。
 しかし、モミジなどはまだけっこう残っているので落胆することはなかったです。

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 かつて金山で使用した石臼が庭石として利用されています。

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 今こんな庭園を造ろうとしたらどれだけかかるんでしょう。 数億、あるいは十数億か?

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 庭園はどの角度から見てもきれいなように設計されてます。 そこが自然林との違い。

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 見どころをぎゅうぎゅうに詰めた公園みたいな印象。

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 これでも十分見事なのに、紅葉最盛期ならどんだけ美しかったか。

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 同じ宮城県の大崎市岩出山にある有備館共々国指定名勝に指定されているそうな。

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 近くには三陸自動車道が走っているのですが、そんな気配は微塵も感じさせません。 至って静かな環境。

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 この建物が煙雲館。
 新しくはないけれど、それほど時代的な古さも感じない。
 庭からチラッと眺めただけ。

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 入園料は無料。 そんなあ。 大都市では考えられない設定。
 200円くらいなら喜んで払います。 300円払えと言われてもこの素晴らしさなら納得しますね。

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 ドウダンやツツジの類は紅葉がほとんど終了状態でした。
 海岸近くで暖かい場所なので、他より紅葉時期が遅いと思われ。

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 国の名勝とはいえ、個人所有の土地。 入園するには電話予約が必要なんだとか。
 恥ずかしながら、直近来たのが十数年前でそこまで覚えてなかった。
 器物破損は問題外ですが、建物内に入らず少人数で明るい時間に庭園を見て歩くだけなら 断られることはないかと。
 すぐ前の駐車スペースには車数台が停められます。
 心穏やかになるいいところですので、忘れなければ来年シーズンの頃に是非寄ってみてください。


    宮城県気仙沼市松崎片浜    煙雲館の庭園





  1. 2021/12/04(土) 22:43:59|
  2. 道草・寄り道・油売り

禊瀧(みそぎたき)神社の謎

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 道草・寄り道・油売り

 
 小ネタです。
 今回「滝」がテーマですけど、滝画像は1枚もありません。 ご了承ください。

 陸前高田市の市街地にこんもりした丘があります。
 高田城址です。 それらしいものがないので、言われなければ城跡とは分からないかも。
 大震災の津波襲来時にはここへ登って助かった人が大勢いました。
 現在は本丸公園として整備が進んでいます。
 
 その城址を取り囲むように、様々な神社仏閣が建てられています。
 愛宕神社、馬場不動尊、天照御祖神社、浄土寺、などと共に、貴船神社・保呂羽様・禊瀧神社の3社が固まって建っている一角があります。
 禊瀧(みそぎたき)神社 という社があります。
 禊瀧 というからには滝があるに違いない、と出かけてみたのが随分前の話になります。
 一瞥した程度で、そこには滝がないと分かりました。
 何故なら、神社は丘の凸部にあって 水が流れるような場所ではなかったからです。
 では何故そのような名前の神社があるんだべ?
 今回改めて出かけてみました。 まあ、出かけるといった表現はどうかと思うほど近い場所ですが。

 20軒ほどの民家が立ち並んだ狭い道路を突き当りまで登って行きます。
 すると 禊瀧神社の鳥居が。

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 石段を登ってみると、

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 そこにあったはずの古い社殿が取り壊されて跡形もなくなっていました。
 以前訪れた時には、軒先が傾き倒壊寸前でしたから、整理されるのも仕方なかったですね。
 正面にあるのは物置小屋です。

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 すぐ上には保呂羽様の、こちらも相当年期の入った社殿が建っています。
 これより上はすぐに頂上で、裏山は無く、その先の眼下には住宅地が広がっています。
 水の気配はまったく感じられない場所です。

 一旦降りて、禊瀧神社の横へ行ってみると、

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 ん? なんか怪しい場所が。

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 何これ?
 もしかしたら、かつてはこの穴から水が湧いて流れ出ていたのでは?
 周辺を探し回りましたが、これ以外水の流れるような場所は何処にも見つかりませんでした。

 これより小隊長の推論。
 かつてはここに沢があり水が流れていたのかもしれません。
 崖になったところに小さな滝が流れ落ちていた可能性もあります。
 だからそこに神社を建てたと。
 大体この辺りの場所の名前が、洞の沢 というんです。
 水がなければこのような地名を付けるはずがないじゃありませんか。
 洞というのが上の画像の穴なのでは?
 しかしいつの頃からか、何らかの現象によって湧水の水脈が途絶え、時代が下るに従って滝は徐々に埋もれて行ったのでは。
 下流の谷地は水が流れなくなったので、埋め立てられ道路ができ住宅が建てられるようになったのでは。

 それを聞いていた滝バカが別の説を言い出しました。
 それによると、
 もしかしたらここにある禊瀧神社は下社かもしれない。
 氷上山のずっと上の方に、本当の禊瀧が流れていて、そばには禊瀧神社の本宮があるのかもよ。
 いちいちそこまで登って行くのはあまりにも大変なので、その代わり誰でも参拝できるよう麓に下社を建てたのでは。
 だからこっちに沢もなければ滝もないのは当然だっちゃ。
 こうした例は、遠野や大槌など各地にあるから、全然珍しくなかんべや。 どやどやどやねん?

 滝バカ説の通りとすれば、まだ我々滝見隊が見たことのない滝が人知れず氷上山山中に流れているということになります。
 う~~ん。 ワクワクする説ではありますが、滝見隊ではすでに氷上山の推定9割5分以上の沢は探索し終えていると思っています。
 滝バカ説が本当なら、残り5分のどこかに未知の滝があるということになるのですが、地形や水量を考えるとホンマかいなと懐疑的にならざる得ません。

 真相は如何に。
 また氷上山に登ってイバラに刺されまくり、泥だらけになってまで滝を探したい気には今のところなれないんだよなあ。


   道草・寄り道・油売り      岩手県陸前高田市  禊瀧神社の謎





  1. 2021/10/01(金) 18:03:06|
  2. 道草・寄り道・油売り

遠野のヒマワリ 矢巾のヒマワリ

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 道草・寄り道・油売り

 2021年8月14日。
 遠野市上郷町にあるヒマワリ畑の状況。

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 咲いている所は咲いているし、すでに花の中心が黒くなってうなだれている花も多数。
 区画によって花の進行度はバラバラ。

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 早々に開花してしまい、花弁も見えない区画。 倒れこんで完全打ち止め状態。

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 昨年まで咲いていた一角が、今年は耕作断念か。 ここでも高齢化問題が起こっているようです。

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 秋の花コスモスがすでに咲き出していました。

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 ヒマワリといえば、やっぱスッキリした青空が似合いますが、このところずっと曇天続きで雨が多く 晴れ間の見えない日ばっかり。

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 ヒマワリ畑の耕作面積を全部合わせたら相当広い。
 ただ区画によって成長スピードが異なるので、バラついた印象。

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 ヒマワリ畑の奥に見える建物は、遠野の鍋倉城・・・ってウソでんがな。 民家です。 立派。

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 こちらの奥に見えるものは、JR釜石線の線路です。

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 ようやく釜石線にSLが走ることになったとか。
 ヒマワリの花は、SLとのコラボにギリギリ合うか。
 ちなみにこの日、撮り鉄は一人も見えませんでした。 撮影するには空色が悪かったか。

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 高さが1mほどしかないミニサイズのヒマワリ畑もありました。

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 おそらく、これから遠野のヒマワリ畑へ行っても ほとんどの花はお辞儀してると思いますね。

 さて、1週間経ちました。
 2021年8月21日です。
 場所が変わって、矢巾町の煙山ひまわりパークへやってまいりました。

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 花が大きく背丈も高くて2m以上あります。

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 広さは遠野の方が広い感じがしますが、正確には分かりません。
 矢巾のヒマワリ畑には区画がなくて、内部には歩道が通っています。

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  ヒマワリの丈が高いために 大人でもつま先立ちしたり背伸びしたくらいでは畑の全体が見えません。
 畑の端の方だったり、途中何カ所かにある人工の高台に登ればようやく眺めることができます。

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 初めて来た場所なので、方角が分からず。
 せめて岩手山が望めればおおよそ分かると思うのですが、この日も雲が重くたれこめる天候で、岩手山はまったく姿を現さず。
 ってか、ここから岩手山は見えんだべか?

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 これらの画像には人が写っていませんが、実は遠野と違って蜜になるほど人が多かったです。
 半数以上が子供連れの家族。 盛岡ナンバー多し。
 駐車場への出入り口も車で渋滞していました。 なんで出入口をひとつしか設けなかったのか。

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 花の中心が黒くなってきており、こちらの見頃もそろそろなのでは。

 遠野と矢巾のヒマワリ畑を比較すると、個人的には遠野の方が好み。
 矢巾は人口の多い都市が近くにあり、観光地化されて客が多く、落ち着いて眺める環境にはありません。
 距離的にも遠野は断然近いですし。 植えたら後は放ったらかしといった感じもいい。
 ヒマワリそのものに優劣はありません。
 願わくば、青空の下でヒマワリ畑を見たかったなあ。 何なんだ 今年の夏は! ヽ(`Д´)ノプンプン



  岩手県遠野市上郷のヒマワリ畑。    岩手県矢巾町煙山のヒマワリパーク。


 


  1. 2021/08/23(月) 19:01:35|
  2. 道草・寄り道・油売り

鬼滅ブームも過ぎて

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 道草・寄り道・油売り


  一時は世間を騒然とさせた鬼滅ブームも、どうやら下火になったようです。
 個人的にはアニメにまったく興味がないので、ただの1巻も見たことはありませんが。
 そのブームにあやかって、日本各地の鬼にまつわる場所まで脚光を浴び、ツアーのように巡るのが流行したんだとか。

 その中のひとつに、岩手県一関市真柴にある 鬼死骸 があります。
 小隊長は鬼滅ブームの前から気になっていたのですが、なかなか訪問する機会に恵まれず、その内ブームがやって来て、余計行きにくくなりました。
 かつては 鬼死骸村といって、鬼にまつわるいろいろなものが付近に点在しているのだとか。
 もう少し静かな雰囲気になったら、こっそり行ってみたいと考えています。

 奥州市の 人首 だとか、大船渡市の 死骨崎 だとか、かつては鬼と呼ばれた蝦夷伝説のおどろおどろしい話は、この辺りにたくさん残っています。
 それでは、気仙沼にはそんな話はないだろうか? と考えたら、あったのですね、これが。
 正確には、気仙沼市と合併前の旧唐桑町にある話ですが。

 唐桑半島中央部にある、その名も 蝦夷狩 という地名。
 現地へ行ってみました。

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 ミヤコーバスの停留所に、確かに残る 蝦夷狩の名。

 遠い昔、前九年の役で敗れた安倍貞任配下の兵が、源頼義の軍勢によってこの地で討伐されたという記録が残っているそうな。
 人を人として扱うのなら、決して 狩る などとは付けないでしょうが、何しろ当時は、朝廷に逆らう者は鬼ですから、こういう名になったのでは。
 それにしても、その事実をそのまま地名にしてしまうとは、いったい如何なる考えに寄ったのでしょうか。

 付近に、それにまつわる何かがなかんべか、と探し回りました。

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 なんか臭いなと思いつつも覗き込むと、

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 どうも違うようです。

 どうやら地名以外これといったゆかりの場所や品物などは皆無のようでした。
 つまり、当地のバス停から蝦夷狩の名が消えてしまうと、他には一切残らなくなってしまうのでは。
 それはそれで悲しい感じがします。

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 蝦夷狩の近くには、名勝 巨釜の折石 があります。
 この画像は、半造から撮ったもの。
 広田湾の対岸は岩手県陸前高田市の広田半島。

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 画像中央の折石はもっと高かったのが、三陸大津波で途中からポッキリ折れてしまったために、折石と呼ばれるようになったんだとか。


 以上、小ネタ といったらいいのか、ボツにしてもいいようなしょうもないネタでした。


     宮城県気仙沼市唐桑町 上小鯖  蝦夷狩




 
  1. 2021/08/19(木) 20:06:29|
  2. 道草・寄り道・油売り
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遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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