南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

鬼越沢川の大滝

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 一関市の滝


 かつて一関市の河川改修工事に携わっていたという方に仕事先で出会い、話をしました。
 その方によれば、鬼越沢川本流の中流部で堰堤の工事をしていた際、近くに大きな滝があったということでした。
 滝探しの際、地元住民ばかりでなく、林業従事者やら土木工事をしている人達から重要なヒントをもらうことがあります。
 ありがたいことです。
 貴重な情報を得て、滝のある場所を地図で確かめることができました。
 その人は工事完了以来一度も行っていないので、当時あった作業道が現在まであるかどうか分からないとのこと。

 話を聞いた時、滝見隊では鬼越沢川に入って間もない頃で、再訪するのはちょっとおっくうに感じ、ほとぼりが冷めるまでしばらく置いておこう、ということになりました。
 
 そして今、樹木の勢いが衰え、紅葉が始まっています。
 時期的には寒さが始まっていますが、バイクで遠出してもまだどうにか耐えられそうな按配。
 行くなら今しかない、ということで決行しました。
 参加者は、大船渡隊員、気仙沼隊員、そして小隊長。 釣り師は休日出勤で不参加。

 向かったのは、岩手県一関市祭畤(まつるべ)。 
 国道342号線、一関市街地から厳美渓を経て須川温泉に向かう途中、岩手宮城内陸地震で崩落した祭畤大橋のある地点から北に向かう道路に入ります。 国道から1kmも入らないんじゃないかな。

maturube01.jpg

 今春、鬼越沢川の上流、鬼壁沢に入り大地震の震央にあった滝を見つけていますが、今回はだいぶ下流の鬼越沢川本流部になります。
 ちなみに、鬼越と鬼壁はどちらも おにかべ と読むらしいっす。

 それから、どの地図にも 鳴沢温泉 と出ていますが、現在この施設は跡形もありません。
 温泉に通じる道路だけが残っています。狭くて分かるかどうか。

 突撃する前に、地図を眺めながら、どう攻略すれば良いのか悩みました。
 ルート選択が難しい川です。
 川は大きく湾曲し、川幅があり、滝の前後は大きな堰堤で挟まれています。
 北側は山で、山頂付近から大きく崩壊しています。
 こちらから入ればザイル必携。ただ我々にできるかどうか。
 南から入れば、川を越えなければなりません。
 渡れるような水量なのか。 この時期川に入るのは寒くて勘弁してほしい気分。
 滝までは道がないので、ヤブコギ覚悟。
 滝が断崖の下ならどうするか。
 とにかく一筋縄ではいかないような地形なので、現地で検討することに。

 南三陸からバイクを飛ばし、はるばる来てみると、現場は予想以上。
 北側の山肌は崩壊して、我々のスキルでは死人が出るレベル。 とうてい無理です。
 というわけで、選択したのは南側から入ること。
 川の水量が多ければ、その時点で諦めようと突撃開始。
 作業道といったものは痕跡のみで、樹木が茂り、初めっからヤブコギでした。
 斜面は粘土質で、いったん滑るとズルズル滑り落ちます。 小隊長は2度ばかり転倒。

 ラッキーだったのは、思いのほか水量が少なく、堰堤の上を渡れたこと。
 アンラッキーだったのは、堰堤の上で休憩した折、突然の突風で小隊長のウエーダーが飛ばされ、ダム湖に落ちたこと。
 袋が浮き代わりになって水面に浮かんだので、細い倒木を拾ってきてどうにか拾い上げることができました。
 書けば簡単ですが、なんやかんやドタバタがあって30分は無駄にしてしまいました。

 堰堤を渡り、再びヤブコギして岡を越え、川原に下りて、ようやく待望の滝が見えてきました。
 この途中でも、前を歩く気仙沼隊員の払った枝が、後続の大船渡隊員の顔面に当り、一触即発の事態になったりして。
 「わざとやりやがったなテメエ。」
 「やるわけねえっちゃ。だいたいすぐ後ろを歩く方が悪いべよ。」
 こんなのは毎度毎度のことなので省略。 ガキのケンカやあらへんで。ええかげんにせいっ中年。
 川原も粘土質で、うっかり足を置くとズブズブ潜りこんでしまいます。

poik3.jpg

 想像していたよりもデカい滝。 美しい。 そして広々として深い釜。
 この滝も web 初UPでは?
 ちゃんとした名前があるんだろうけど、現時点では不明です。

poik4.jpg

 レースのカーテンを思わせる流れ。 すばらしい。

poik5.jpg

 よく見ると奥にももう1段低い滝があります。

poik6.jpg
 
 水が細く分散されて落下するので、飛沫が上がらず、滝音静か。
 う~むと唸るほど見事な造形。 紅葉とあいまって絵になる滝です。

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poik8.jpg

 非常に整った、優美な滝。
 周辺広葉樹ばかりなので背景も美しい。
 ほとんど欠点のない滝に見えます。
 が、水質にやや難あり。気になるほどではありませんが。
 透明で底まで見通せるんですけど、薄く濁ったような感じで、けっして飲用できるような水でないことは確か。
 ケチをつけられるのはこれくらいですかね。
 とにかく見に来た甲斐のある滝でした。繰り返してすばらしい滝。

 印象度  

 滝見隊では現場の状況が分からなかったので、装備を山のように担いで行きましたが、通常スパイク付きの長靴さえあればなんとかなるようです。
 ただ急斜面は非常に滑りやすく、10m程度のロープがあればいいかと。
 水量が多くなって堰堤の上から流れているようであれば、見に行くのは困難。
 上の画像は滝の下流、川の中から撮影したもの。 増水したらこんなアングルでは撮れないと思います。
 上の道路から滝まで、道はありません。完全ヤブコギです。


poik9.jpg

  川沿いの紅葉。 須川では麓まで紅葉が降りて来ていました。

 枝沢から流れ落ちる滝。
 ほぼ半分の高さまで土砂が堆積しています。
 取り除いたらさぞや見ごたえのある滝になるのでは。

poik10.jpg

 印象度  


                   岩手県一関市          鬼越沢川 → 磐井川 → 北上川


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  1. 2015/10/12(月) 21:17:58|
  2. 一関市の滝

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遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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