南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

大沢 幻の滝はあるのか? 1

gyzx1.jpg
 大船渡市の滝                              大船渡側から見た五葉山


 気仙沼隊員の滝バカ、大船渡隊員のニーハオ、高田の釣り師、そして小隊長が一堂に会し、やっと今年の南三陸滝見隊始動です。
  隊発足以来いちばん遅い始動になってしまいました。
 それまで各隊員とちょこちょこ動き回ってはいましたが、全隊員揃っての出陣は、昨年の忘年会以来となります。

 向かった先は、かねてより念願だった岩手県大船渡市にある、鷹生川支流大沢渓流。
 なぜここなのか。
 それには理由があります。

 岩手県が発行している地元の冊子が手元にあります。
 その中に、「大沢渓流の奥に100mに及ぶ滝がある。」 と記されているのです。
 記述内容から察するに、常時流れているような滝ではなく、普段は水が少なくて大雨の時のみ出現する滝のようです。
 冊子には周辺のいくつかの滝の画像が載っていますが、この幻の滝なるものの画像だけはありません。
 想像するに、見たことのある人からの伝聞を書いたようです。
 役人が、どうせ誰も行きやしないだろうと大ボラ記すとは考えにくいので、存在することはほぼ間違いなさそう。
 そうなるとどうしても見たいと思うのが我々の心情。
 水量があろうが無かろうが100mの高滝ってすごいじゃないですか。

 また、地元紙に、大沢本流に40mの滝がある という記事が載ったことがあります。
 本当にそんな大滝があるのか? あれば、とっくに見ているはずなんですが。
 小隊長は、それは1本の単体の滝ではなく、急角度で流れる連続した滝なのではないか、と思っています。
 大沢は巨岩がごろごろ積み重なった沢で、どこで区切ればいいのか分からない滝が無数に存在します。
 これはぜひとも行って確認しなければ。

 実は、これまで2度大沢渓流に入っています。
 もちろんその時の画像も記録していましたが、大津波によって流出の憂き目に。
 沢を登ってみると、数々の滝はあったものの、100mなんて目の飛び出るような高滝にはお目にかかっていません。
 そして、2度とも最上流部で濃密なヒノキアスナロの林と藪に阻まれ、源流にまでは達していなかったのです。
 冊子を見る以前のことなので、そんな滝があろうとは知る由もありませんでした。
 2度本流を登って、2度ともそんな滝は発見していない。
 ということは、幻の滝は大沢本流ではなく、大沢に流れ込む枝沢にある可能性が高い。
 しかも過去2回とも草木の茂る頃だったから、枝沢を見落としていたのかもしれません。
 
gyzx2.jpg
 現在の大沢周辺の景観。

 雪解けが終わり、これから草木が伸び始めるというわずかな期間内でなければこの沢には入れません。
 上流部に道がなく、ヤブコギせざる得ないからです。
 ヤブコギするとイライラ感と疲労度は倍以上になるので、このチャンスが来るのを狙っていました。

 鷹生ダムから上流へ1Kmほど登ったところに、赤坂峠へ通じる五葉山登山道の橋が架けられています。
 横川橋といって、なぜか橋のたもとに4体のお地蔵さんが無造作に置かれています。
 この横川橋の下を流れるのが大沢。 ここを出発点にしました。
 もともと予定していた時間が遅かったことに加え、滝バカの到着が大幅に遅れ、突撃開始時刻はもうすぐお昼という頃。
 早くも滝見隊恒例のグズグズぶりが露見。 またか!と他の隊員はあきらめ顔。

 
 五葉山へは、赤坂峠から尾根伝いに登って行くのが一般的。いちばん楽なコースです。
 他に釜石ルートや住田ルートもあります。
 別なコースもあります。
 大沢より下の、五葉牧野(現在太陽光発電所が建築中)から大沢沿いに入り、大沢小屋を過ぎて赤坂コースへ合流する道と、同じく大沢小屋を過ぎて反対の黒岩へ向かうルートです。
 下は概略図。

gygy01

 大沢コースは結構登山客が利用するので道もしっかりしています。
 一方の黒岩コースはマイナーで、上に行くに従って道もはっきりしなくなります。
 まあよほどもの好きじゃないと黒岩コースは登らないようです。

gyzx3.jpg

 大沢小屋を過ぎてからの分岐点。
 鳥居をくぐって右に進めば、畳石から赤坂ルートに合流します。
 写ってませんが手前側が黒岩ルート。
 左へ行くと大沢沿いの山道で、登山道ではありません。
 我々はこの山道を登って行きました。

 大沢小屋あたりまでは山菜採りの姿をちらほら見かけました。
 隊では山菜採りは御法度にしています。キノコ狩りも同様。
 理由は簡単。 知識がないから。
 ヨモギとトリカブトの違いすら分からないバカ揃いですから、摘み取って家まで持って帰られたんじゃ大惨事は免れません。
 
gyzx4.jpg

 1発目に撮った滝。
 水量ありますが、味わい的にはイマイチ。
 水質に何の不満もありません。美味しい水です。

gyzx5.jpg

 沢の景観は大方こんなもん。 次から次へと滝が連なっています。
 岩盤はあるにはありますが、割れやすいのか、巨岩が折り重なった場所が多いです。
 ただ、上流部にはハッとする美しい流れの場所が方々に点在します。

 山道はしばらく続きますが、次第に荒れ始め、倒木が増え、橋の倒壊で沢を渡らなければならない箇所も。
 さらに道が不明瞭になって、やがて完全に消失します。

gyzx6.jpg

 枝沢からの滝。滝壷にイワナが4匹。
 「ちょうど人数分いるから、昼飯のオカズに釣ってくんねえか。」
 「俺は海釣りしかしないって知ってんでしょうが。いったい何年の付き合いなのよ。」と釣り師。

gyzx7.jpg

gyzx8.jpg

gyzx9.jpg

 登るにつれ、滝もどんどん現れます。
 それぞれ見ごたえがあっていい滝の連続です。
 ただ、やはり巨岩が折り重なった流れで、大きな岩盤は見当たりません。

gyzx10.jpg

 これはスゴイと唸った滝。
 前にも見てるんですが、何度見てもすばらしい。
 小滝が何段にも渡って五月雨式に流れ落ちる滝。
 ひとつひとつは小さくても、これだけ集合すると豪華絢爛な感じがします。
 小隊長の画像ではその素晴らしさを伝えられないのが非常に残念。
 実物を見てほしい滝のひとつ。これだけ見て帰っても十分満足します。

gyzx11.jpg

gyzx12.jpg
 
 撮影がへたっぴなので、どの画像も全然大した様には見えないと思いますが、本当はこんなもんじゃない、とだけ申し述べておきます。
 比較するものが無いので分からないけれど、どれもこれも画像で見るよりずっと大きい滝です。

gyzx13.jpg

 この辺まで来ると、そうとう登った感が出て来ます。
 山道は消えてしまっているので、沢を登ったり、ヒノキアスナロの群落をかき分けながらの進行。
 歩くのがきつくなり、額から汗が流れ、背中にはTシャツが貼りつき気持ち悪い。

gyzx14.jpg

gyzx16.jpg

 ため息が出るほどの美景。 大沢”渓流” といわれるゆえん。

 腹も空いてきたのでそろそろメシにしようか、と考えていた矢先。
 我々はとんでもないものを見てしまったのです。  

 つづく。 

                         岩手県大船渡市          大沢 → 鷹生川 → 盛川 → 大船渡湾


 
スポンサーサイト
  1. 2015/04/27(月) 20:50:13|
  2. 大船渡市の滝

自己紹介

小隊長

Author:小隊長

遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

最新記事

カテゴリ

はじめに (1)
道草・寄り道・油売り (147)
巨樹・古木 (73)
野の花々 (35)
八幡平市の滝 (1)
普代村の滝 (1)
田野畑村の滝 (1)
岩泉の滝 (1)
宮古市内の滝 (10)
宮古市田老地区の滝 (2)
宮古市新里地区の滝 (9)
宮古市川井地区の滝 (20)
花巻市の滝 (8)
花巻市大迫地区の滝 (10)
花巻市 東和町の滝 (5)
北上市の滝 (2)
金ヶ崎町の滝 (1)
奥州市衣川地区の滝 (16)
奥州市水沢地区の滝 (3)
奥州市江刺区の滝 (7)
奥州市胆沢区の滝 (7)
平泉町の滝 (5)
一関市の滝 (24)
一関市花泉地区の滝 (1)
一関市東山地区の滝 (6)
一関市川崎町の滝 (6)
一関市大東町の滝 (22)
一関市藤沢町の滝 (2)
一関市室根地区の滝 (4)
山田町の滝 (15)
遠野市の滝 (72)
遠野市宮守地区の滝 (6)
大槌町の滝 (40)
釜石市の滝 (82)
住田町の滝 (103)
大船渡市の滝 (91)
大船渡市三陸町の滝 (62)
陸前高田市の滝 (121)
気仙沼市の滝 (26)
南三陸町の滝 (15)
女川町の滝 (1)
石巻市の滝 (17)
登米市の滝 (9)
栗原市の滝 (13)
大崎市の滝 (2)
加美町の滝 (1)
色麻町の滝 (1)
東松島市の滝 (1)
秋田県 東成瀬村の滝 (3)
秋田県 湯沢市の滝 (3)

ご来場者数

リンク

このブログをリンクに追加する