南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

冗談でしょ !? 上段の滝消失。

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  扇滝                                                 一関市大東町の滝


 岩手県一関市大東町を流れる砂鉄川支流 山口川。
 その近くの国道はよく通過していますが、通ったついでというわけにもいかず、なかなか入渓する機会がありませんでした。
 以前訪れた時から2~3年は過ぎています。
 通ると何となく気にはなるし、隊員の中にもまだ入ったことのない奴がいたので、案内がてら今回やっと入ることにしました。

 室根山塊の一部を成す扇山を水源地とする山口川。
 中流域から下流域は、護岸だらけで、あけすけに言ってしまえばどうしようもない川。
 滝見隊的には、魅力がありません。
 ところが、ひとたび上流域に入ると、様相が一変。護岸は消え、滝の多い沢になります。
 その中でもひと際存在感のある滝が 扇滝。 神秘性を感ずる滝です。

 まず、場所から。
 国道343号線。一関市大東町大原から行くとすれば、もっとも室根山寄りの川です。
 陸前高田方面へ向かう笹ノ田峠の坂がこれから始まるといったあたり。
 南三陸滝見隊のアホバカ連中は、全員が沿岸部に居住しているので、ループ橋からの山越えです。
 舗装路が切れ、林道に入っていくと、すぐに通行禁止の柵が設けられています。
 使用されず廃道になったからじゃないかと。
 柵は簡単に移動できますが、クルマの場合、それ以上進んでも倒木や泥濘地などで行く手を阻まれますから、素直に下車して歩いた方が得策。
 沢沿いに林道を登っていくと、やがて沢は二手に分かれます。
 まっすぐ上に延びて行く沢の方がやや水量があります。山口川本流かな。
 こちらの水源地は室根山中腹の溜め池につながっていて、めぼしい滝はありません。
 廃道は藪だらけで倒木・泥濘地が多く、行くだけ無駄。

 登っていくのは、もう一方の沢。
 こちらはほとんど手つかずの沢で、林道も山道も獣道さえありません。
 ほぼ沢登りです。
 岩盤・巨岩・大石の連続する沢で、困難な場所は無く、ザイルも不用。岩は滑ることもないので楽しめます。

 途中の滝。

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oogi08.jpg

 そして、目指す場所にやってきました。
 2段構造の 扇滝 があるはずの場所。
 しかし、到着した時、「ありゃりゃ???」 一瞬ここではなかったのかと思いました。
 あるべきはずの滝が見えなかったからです。
 位置的には間違いないはずなのですが・・・。

 初めて訪れた時の画像をごらんください。
 再UPします。
 扇滝の全体像。

oogi01.jpg
 狭いけれども深い釜を持ち、神秘的で美しい滝です。

 それが、

oogi03.jpg

 これだけ。
 上段の滝が完全にすっぽり無くなっていたのです。
 まさかまさかの事態。

 前回はこの滝の上に、

oogi02.jpg
 
 下段以上の高さがある上段の滝がありました。

 それなのに、上段部分の現在はこうです。

oogi06.jpg

 画像の滝は、影も形もありません。
 唖然。茫然。カッパに騙されているのか?
 「ウソ! 冗談だべ・・・・・???」
 「ホントにここなんだべな?」
 「間違いないって。」
 「んじゃ何で無いんだ?」
 「分かんね。 俺に聞いたって分かるわけねっちゃ。」

  自然は時に急激な変化を見せることがあります。
 盤石に見える滝でさえ一瞬にして形が変わることだってありえます。
 内陸部の「穴滝」「窓滝」などは、その名前の元になった天蓋はすでになく、栗原市の「雌滝」・陸前高田市の「大隅滝」などは滝そのものがいつの間にか消失してしまいました。
地震による地盤の沈降や隆起、堆積した土砂などによって、形を変えてしまった滝(菊ノ滝・別当滝など)もたくさんあります。
 大きな変化でなくても、毎年少しずつ後退していくのが滝の宿命。

 では扇滝の上段部分はどうなったのでしょうか?
 おそらく東日本大震災の巨大地震によって岩盤に亀裂が生じ、強度が弱くなっているところに度重なる集中豪雨で流されてきた岩が衝撃を与え、岩盤が破壊されたのではないか、と我々は考えました。
 粉々に砕けて下流に流されてしまった可能性があります。

oogi05.jpg

 ともあれ、半分以上の高さを失ってしまった扇滝。
 これだけでも見れない滝ではありません。
 が、以前の姿を記憶しているだけに、貧弱といえば貧弱な姿で何とも残念。

 本日侵攻する沢はここだけ。
 時間的には十分あり、さらに上流へ登ることにしました。
 沢の上流部は山頂が近付き傾斜が緩めになるので、下流部ほど滝は望めないだろうと考えていました。
 が、見ごたえある滝があったのです。

oogi10.jpg

oogi11.jpg

oogi12.jpg

 元の扇滝から比べれば相当低いですが、幅のある滝です。
 五月雨状の段瀑。 小さいながらも滝壷があります。
 もちろん水質に関していうこと無し。
 川床の岩が滑らないということが水質を保証しています。

 印象度  

 扇滝の半分が崩壊してしまった今、この滝に名前が付いているとは思えないので 「新扇滝」 と名付けることにしました。

 帰途、道らしきものがあるとニーハオ隊員が言うのでそのまま付いて行ったら、次第に沢からはずれ、藪が濃くなってにっちもさっちもいかなくなりました。
 道らしきものは、あくまで「らしきもの」で「道」じゃなかったのです。
 こんなことなら黙って登って来た沢を戻ればよかった。そう思っても後の祭り。
 で、また沢に戻るため、責任のなすりつけ合い・ののしり合いしながらヤブコギするハメに。
 ちょっとだけ楽をしようとするとろくな事にはなりません。

                                    支流 → 山口川 → 砂鉄川 → 北上川



 


 
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  1. 2014/09/02(火) 19:28:32|
  2. 一関市大東町の滝

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遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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