南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

タモノキ沢の滝

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                                                             奥州市胆沢地区の滝


 岩手県奥州市にある胆沢ダムへやって来て、前川の支流を攻めようとしたものの、どこをどうやっても支流の在り処さえ分からず、スゴスゴと撤退してしまった南三陸滝見隊。
 その原因が胆沢ダムができる前の地図をたよりにしてしまったことだと、現地に来てようやく判明する体たらく。
 おかげで小隊長は隊員からボコボコにされるしまつ。
 行こうとする道がダム湖に没して、その付け替え道がないんじゃ、我々にはどうすることもできません。
 ここまでが前回のお話。

 ならば、と考えました。
 奥州市胆沢川沿い、国道397号線から行けないのであれば、山をまたいだ反対側、一関市磐井川沿いの国道342号線からなら行けるんでないかい?

 鉄は熱いうちに打て、といいます。
 我らウスラバカ揃いの滝見隊も、まだ前回の無念さが残っているうちにリベンジを果たさねば、たちまち熱気が冷めて前川まで行く気力がなくなろうというもの。
 なにせ、3歩歩いたら 「あれ?何するんだっけ?」 とニワトリ並みの頭脳しか持ち合わせていない連中です。
 さっそく隊員に召集をかけ、再出陣することに。

 岩手県一関市、国道342号線。須川温泉に向かう道。
 岩手・宮城内陸地震で崩壊した祭畤大橋を眺める広場に、いったん停めたバイクが4台。 本日はアホ面下げて総員出動。
 釣り師隊員は元々バイク乗りなので、どうにか他のバイク仲間に入れてもらえそうなスタイルをしていますが、他の3名はといえば、一種異様、バイク乗りが避けて遠ざかるようないでたちで、誰が見てもまともじゃありません。
 無視されてもエエもんね、ワシらロードツアラーじゃないけんね、と通り過ぎるバイク乗りたちをインケンな眼でにらむ小隊長でありました。

 さて、前川に行くには、この地点から国道を離れ、かつては奥州市石淵ダムまで通じていたであろう道路を北上します。

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 恐ろしくりっぱな道路です。
 やけにすっきりしているなあ、なんでだろ?と思ったら、車が1台も通らないことに気付きました。
 ホントにまったく全然1台も通らないのです。
 これだけ見たら、需要もないのになに税金無駄に使っているんだろう、と思ってしまいます。
 この道路の沿線には1軒も人家がありません。
 途中には、大正から昭和にかけて鳴沢温泉という場所があったらしいのですが、現在では地図に名を残すばかりで実態はありません。入口も分からず。
 そんな交通標識のまったくない素晴らし過ぎる道路を3キロばかり走ると、奥州市側に入ったとたん突然道路が消えていました。
 
aaqq02.jpg

 岩手・宮城内陸地震によりこの先が大崩壊を起こし、それ以来道路は閉鎖されたままになっていたのでした。
 家はない、施設もない、田畑もない、しかも通行止めで回り道はないじゃ、通る車もありませんよね。

 そんなことより、ここからどうするかが問題でした。
 我らが目指す道は、画像左側に見える林道です。
 「どうすんべ? 歩くか、強行突破してバイクで行くか?」
 チェーンで封鎖されているだけなので、やろうと思えば突破は簡単なんですが。
 「知ってる場所なら行くかもしんねえけど、ここは先が分かんねえからな。」
 「しゃあない。歩くべ。」
 「歩いたらどれくらい?」
 地図を眺め 「片道ざっと3Kmってとこ。」
 「ギョエエエッ!この炎天下、往復6Kmの登り降りってか!」
 「しかもフル装備担いで・・・。」
 「こんなこったら、来なかったのに。」
 ブーブー愚痴る隊員を引き連れ、のたりのたりと林道を歩いて行きました。
 カーブを登って行くと、すぐに鉄骨の頑丈なゲートが現れました。ここは横からスルー。
 ギラつく太陽、しかも森の中なので湿度が高く、たちまち汗まみれ。
 歩くスピードがいっそう遅くなりました。ダルダルです。

 「俺ら、何でいつもこんなことになるんだ?」
 「誰かさんがバ~カだからだっちゃ。」
 汗が流れギトギトになった3人の視線を浴びる小隊長。
 とにかく暑いし足が重くて、恒例のののしり合いをする気力もありません。

 しばらくは胆沢川支流前川に沿って歩いた後、タモノキ沢に出たところでいよいよ入渓になりました。
 廃道のような林道もありましたが、歩く人無く、藪だらけだし、沢から離れた位置にあるため使えません。
 日中とはいえヤブコギすればクマの出没にも警戒する必要がありました。
 それに比べれば沢歩きのほうがずっと楽です。
 水の冷たさが心地いい。いっそ泳ぎたい気分。
 バシャバシャ川の中を進んで行くと、ところどころで魚影が走りました。
 川床はほとんどが岩盤でとてもいい沢です。
 ほどなく、狙っていた滝が目の前に出現。
 「魚止ノ滝」 というのかもしれませんが、はっきりしないのでここでは タモノキ滝 と呼ばせてもらいます。

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 地図にはマークがあるのですが、名前がなく、webにもUPされたことがない滝。
 本邦初公開 (たぶん)。

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 滝の規模、そして水量とも、奥州市衣川水系の 三滝 とほぼ互角。
 苔がほとんどない点と、滝壷がはっきりしないのも共通。
 決定的に異なるのが水質です。
 胆沢川本流自体が日本の川の水質ランキングで第4位の川ですから、その支流の支流となれば悪いわけがありません。
 三滝がアメリカザリガニのいそうな川だとすれば、タモノキ滝はイワナしかいないような川です。
 それほど水質に差があります。まさに清流。美味い水。

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 周囲に人工的なものはまったくありません。たまに上空を飛ぶ旅客機の音が聞こえるだけ。
 位置的には奥の山を越えれば秋田県で、奥州山脈の奥深いところ。

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 正面左側の流れ。

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 右側の流れ。

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 滝そのものは申し分がなく、わざわざここまで来た甲斐があったと十分に満足しました。
 ただ残念だったのが、正面左側の斜面。
 おそらく例の岩手・宮城内陸地震によって引き起こされたであろう崩壊によって、巨岩が沢にまで達していました。
 それさえなければ、広い滝壷が埋まらずに済んだはずです。

 印象度  

 この場所は、通常南三陸滝見隊が滝探しで活動するエリア外なので、これ以上先に進むことなく、再び来た道をヨタヨタと引き返しました。

                                 タモノキ沢 → マツルベ沢(?) → 前川 → 胆沢川 →北上川




 
 
 
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  1. 2014/07/28(月) 23:01:26|
  2. 奥州市胆沢区の滝

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小隊長

Author:小隊長

遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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