南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

石上山幻の滝

                                                 遠野市の滝


 「隊長が悪い。」
 「計画が杜撰だっちゃなや。」
 「つーか、考えが甘い。そのうち誰か死ぬべよ。」
 山を下りて駐車場に戻ると、小隊長に向かって散々な総括の嵐でありました。
 小隊長自身、もう少し時期を遅らせて登るべきだったかなあと反省しないわけじゃないんですけど。
 しかし口をついて出るのは、いつものやつ。
 「好き好んで小隊長やってんじゃねえよ。 嫌だったら他の誰かがやったらいーべさ。」
 これ、ケンカではありません。
 皆が無事に帰還できてアホバカ隊員なりに喜んでいるのであります。

 何故にこんな話になったかといえば、以下の事があったからです。

 岩手県遠野市にある石上山の中腹に、幻の滝が現れる という情報を知りました。
 場所はここです。

isgs01.jpg

 遠野駅の西方向、国道396号線、綾織郵便局の角から北上し、石上山登山道を登ったところにあります。

 幻の滝というからには、常時流れてはいないはず。
 水量の多い時だけ現れるに違いない。
 ということは、何時見に行けばいいのか?
 ヤブコギの必要が無く、雪解け水の流れている今でしょ。
 というわけで、隊員総出動。

isgs02.jpg

 ここが石上山登山道入り口の駐車場です。
 一の鳥居をくぐって正面の石上山へ登って行きます。

isgs03.jpg

 看板にはしっかり「不動岩」と「幻の滝」が表示されています。
 行程表によれば、ここから石上山頂上までは1時間15分で到達できるらしい。
 「あ、そんなもんか。簡単簡単。」
 ところが何ということでしょうか。
 我々は、1時間15分かかっても、頂上のはるか下、山腹にある幻の滝まで行き着けなかったのです。

 一の鳥居から二の鳥居までは快適に進みました。
 整備された登山道で、傾斜はゆるやか。杉林の間をほぼ直線的に登山道が延びています。

isgs04.jpg

 この分ならあっさり滝まで行きつけるんじゃないかと、アホ話に花を咲かせながら歩を進めました。
 天気はいいし、道中吹きまくっていた強風も森の中までは届きません。
 気分はハイキングそのもの。

isgs05.jpg

 二の鳥居です。
 ここまでは時間通り。予定通り。楽ちん楽ちん。
 何の不安材料もありませんでした。
 
isgs06.jpg

 問題はここから徐々に現れました。
 
 雪です。

isgs07.jpg

 積雪が10センチ、20センチ、30センチと次第に深くなり、ズボズボ嵌って歩くことがつらくなってきました。
 一歩一歩足を上げるのがきつい。荒い息の吐きまくり。
 高度を上げるに従って、積雪はさらに40センチ、50センチと増え、ツボ足とラッセルで疲労困憊です。
 こんなに雪が残っているとは、まったくの計算外。
 時間がどんどん経過し、正直あせりました。
 
 それまで小隊長がトップを引いていました。
 行ったことのない場所では小隊長がほとんどパイロット役になります。
 しかしこの雪では、他の隊員より図体がデカく短足ゆえに、なかなか次の1歩が出ません。
 順次トップを交代しながら進むことにしました。
 
 雪がたんまりあるためにどこが道やらまったく分からず。
 我々は常時沢筋から離れることがないので、道に迷うようなことはありません。
 しかし沢筋だと岩と岩の間に雪が積もっていて、落とし穴が随所にあります。

 isgs08.jpg

 isgs09.jpg

 深いところでは2m以上ある穴。
 トップ引きの隊員が何度落ちたやら。
 小隊長も数回はまってしまいました。

 斜面には大量に雪が残り、この日差しによって雪崩でも起きないかと心配するほどでした。

 登山道の跡形もなく、先人の足跡すらありません。
 よくこれで 「もう戻っぺ。」 と誰も言いださなかったものです。
 もしあらかじめ滝の位置が分からなかったら、十中八九途中から引き返していました。

 青息吐息・七転八倒を繰り返し、ズタボロ探検隊は遂に幻の滝とご対面です。

isgs10.jpg

 おおよそ2段の滝。大滝です。
 見上げるばかりの岩盤。スゴッ!!
 画像では全然大した様には見えないのが非常に残念。本当に残念です。
 ああ、もっと撮影の腕があれば。
 実際は、取り付くのも大変な急角度の岩盤を階段状に流れています。
 その存在感に驚かされました。
 この滝は実際に見ないとすごさ・威容はなかなか分からないし、的確に伝える文章力もありません。

 上段の滝がこれ。

 isgs11.jpg

isgs13.jpg

isgs14.jpg

 雪解けの今ですらこの水量ですから、乾期にはまったく流れないのでは。
 まさに旬の時に我々は来たわけですね。
 へとへとになって登って来た甲斐がありました。
 

 下段の滝がこれ。

isgs15.jpg

 これだけでもかなりの高さがあります。
 滝の流れる岩盤を登るのにビビりました。
 かなり滑るため、ザイルがないと非常に危険。

 もしこの岩盤に大量の水が流れていたら、大迫力だったに違いありません。
 現状でさえ十分過ぎる迫力がありますから。

 印象度  

 帰りは自分たちの踏み跡を丁寧に辿って下山しました。
 少しでも近道をしようなどと考えたら、また落とし穴に嵌ってしまいますから。
 
 下山後の言い争いは、「なんで腐るほど雪のあるこの時期にしたんだ? こんなウスバカ隊長じゃやってらんねーな。」ということだったのです。
 隊員にすれば冗談半分・本気半分の意見で、疲労度のもっとも激しかった小隊長にとっても反省多々な滝見行でありました。


追記) 他のブログ等を覗いて見たら、積雪がなければ、駐車場から幻の滝まで40分程度で行けるようです。
 ただ草木が伸び始めると、水量が少ないせいで滝の上にまで侵食してしまうため、滝としての存在感がかなり希薄になるようです。滝らしくありません。
 我々は呼吸困難になりながらごっそり残雪の残る滝を見て来ました。
 滝として眺めるのであれば、周囲は雪だけですので、すっきりした姿を見ることができて、むしろこの時期の方が良かったかなと思います。
 タイミング的には、まだちょっと早過ぎましたけど。


                                不明沢 → 砂子沢川 → 猿ヶ石川 → 北上川






 
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  1. 2014/04/12(土) 21:24:15|
  2. 遠野市の滝

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遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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