南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

二ツ水の滝

                                             大船渡市三陸町の滝

 滝見隊 始動おおおおおっ!!!

 遂に待ちに待ったこの日がやってまいりました。
 冬の長い眠りから覚め、ようやく滝見隊始動でございます。いやあ、長かった!
 気分的には年々冬が長くなって、積雪も多くなってくるような気がします。
 何でだろ? まさか当地だけ寒冷化が進行しているのか。 んな訳ないか。

 当初、日曜日に出陣するつもりでしたが、天気があやしくなりそうなので急遽前倒しすることに。
 「いきなり計画変更かよ。さすがグズグズの滝見隊だなやあ。」という隊員の声を聞き流して総動員令を発令しました。
 昨年12月納会以来の全員参加です。

 目的地は、大船渡市三陸町首崎半島にある 二ツ水の滝 。
 この滝、ずっと前からいつかは行ってみたいとねらっていました。
 しかしそう簡単に入れる場所ではありません。
 断崖絶壁にある海岸瀑なのです。
 
 すごい滝だとのうわさは漁師や釣り仲間からかねがね聞かされていました。
 断崖の高みから落下する2条の滝だそうです。
 船ならそばまで近づいて海の上から眺めることは簡単。
 ところが陸から行こうとするとこれが至難の業。
 過去数えるほどの人間しか到達したことがないと思います。
 なぜなら滝探しを趣味とするアホな連中は、この三陸では希少種でしょうから。
 ウエブサイトでも、海から撮った小さな画像1枚きりしか見たことがありません。
 はるか高い位置にある凹凸激しく泥濘だらけの林道を通り、高低差300mの道なき急斜面または沢伝いに海岸まで降りて行かなければならないのです。
 そして滝を正面から見るためには断崖に取りつき波打ち際まで降下しなければなりません。
 はたしてそんなことをポンコツ探検隊の我々はできるのだろうか、という一抹の不安がありました。
 しかしやるとするなら、積雪が消え草木が萌える前の僅かな間、今をおいて他にはないのです。

 位置から紹介します。
 岩手県大船渡市三陸町首崎です。

首崎

首崎にはぐるりと周回林道があります。
越喜来地区からは北回りでも南回りでもだいたい距離は同じ。7キロほどでしょうか。
 林道は通常でも悪路です。整備された7キロとは違います。車1台がやっとの幅。
 軽の4WD、それもジムニータイプなら大丈夫ですが、それ以外の車はおすすめできないようなひどい道。
 このブログを手掛かりに林道に入って万一引き返せなくなっても、我々は責任を持てませんから。

 北里大学を通って北周りで行くのは何度も経験しているので、今回は南回りで行こうと計画しました。
 が、林道に入ったとたん、早くも計画はとん挫。
 4人がかりでも動かせない倒木が道路を塞いでいました。
 偵察に出かけた釣り師隊員が両手で×印を作りながら戻って来ました。
 「無理、無理。倒木だらけで行きつく前に俺らが倒れますって。」


  いきなり計画変更です。
 「どうすっぺ?」と林道上での鳩首会談。
 「北周りはどうなんだべ?」
 「変わんねえんじゃねーの。」
 「いや、向こうは林業関係者とか鹿撃ちが入っているかも知れんから、岬までだった行けるかもしんねっちゃ。」

 滝見隊にとってしょっぱなから手ぶらで帰ることは何としても避けたいので、とりあえず保険をかけるつもりで近くにある烏頭ノ滝を見に行き、その後ダメモトで北周りの林道に入ることにしました。

 烏頭ノ滝に関しては次回UPします。

 さて、北周りの林道です。
 結果からいうと、隊員の思惑通り岬まではたどり着くことができました。
 悪路に変わりありませんが、前日までに誰かが障害となる倒木を処理してくれていたのです。助かった。

kbz01.jpg

 岬の先端部、首崎灯台への入口にある龍王尊の鳥居。
 しばらく見ないうちに鳥居はボロボロ、周囲は倒木だらけですさんだ光景に変わっていました。

kbz02.jpg

 樹間から見える首崎灯台。
 三陸海岸でも屈指の展望が開ける場所ですが、今回は訪ねる時間がありません。

 岬を回り込んだ我々は、いくらも進まないうちに再び倒木とご対面。
 こうなってはにっちもさっちもいかず、その場にバイクをデポして徒歩で向かうことに。
 およそ2.5キロの道のり、ひたすら倒木をまたいだりくぐったりと思わぬ時間を費やしてしまいました。

 やっと辿り着いた沢への下り口。
 雪解けの時期でも水量はご覧の通り。
 目指す滝に水が流れているのか不安になります。

ftz00.jpg

 ほんとはここまでバイクで来るはずでした。
 倒木のおかげで往復5キロの道のりが加算されてしまうことに。
 沢は雑草がはびこる前なので意外にすっきりした印象で、これなら案外楽に海岸まで到達できるのでは・・・。
 と思ったのもつかの間。
 こちらも倒木が散乱している状況に変わりがありませんでした。

ftz001.jpg
 倒木の間を縫いながらの下り道です。おっと、道はありません。
 海までは距離があり、しばらくはその姿を見ることができないまま黙々と下って行きました。。

kbz03.jpg

kbz04.jpg

 沢の近くの日当たりのよい場所では、早くも春の芽ぶきが始まっていました。
 緑が萌え出したらあっという間に成長します。
 うかうかしていたら藪だらけになって翌年まで来れなかったでしょう。

 沢を横目に見ながらひたすら降りて行くと、やがて前方が急に開け、大海原が近付いてきました。

ftz01.jpg

 沢を見たら、突然消失しています。
 そして波の砕ける音とともに、水の落下する音が。
 遂に断崖の先端部に到達したのです。

ftz03.jpg

 断崖から乗り出すようにして撮った滝の画像。身体がゾゾけます。産毛が逆立つ感じ。

 その下流部。
ftz04.jpg
 左が上流、右側が下の海岸になります。

 この画像を見ただけではどんな滝なのかよく分からないと思います。
 我々にとっても、あまりに近過ぎ、あまりにも高すぎて、全体像がまったく把握できませんでした。

 大海原を眺めながら断崖の上で昼食を摂り、一服した後、態勢を整え装備を点検して、いよいよ断崖に取り付きました。
 恐ええええっ! なんでこんなことを1発目に持って来たんだろと瞬間後悔しましたが、後の祭り。
 久しぶりのロープ使いで身震いがしました。

ftz14.jpg

 断崖を降下する途中撮った滝の上流部。スゲッ!

ftz13.jpg

 そして中段部。

 身をねじって海岸線を眺めると

ftz05.jpg


 この段階では我々が降下している滝しか見えませんでした。
 他のサイトの画像では左右2本の滝が流れているはずなので、こことは異なる場所なのでは?と少々不安な思いをしました。
 が、この滝から30mくらいしか離れていない別な沢の出口に断崖を落下する滝を発見。
 我々の居る場所からは断崖にさえぎられて別沢の流れが見えなかったのです。

ftz06.jpg

 慎重に海岸まで降下しました。足元はもう海岸線で荒い波が打ち寄せています。

ftz07.jpg


 別沢の滝がこれ。

ftz08.jpg

ftz10.jpg

ftz09.jpg

 高け! これまたスゲッとしかいいようがない。

 本沢に戻って全体像を写そうとしましたが、

ftz12.jpg

ftz02.jpg

 規模が大き過ぎ、また中流部が岩盤の陰に隠れているために思ったような画像が撮れませんでした。

 海から眺めると、左に本流の滝。右に別沢の滝が流れている構図になります。
 滝が余りに近く、さりとてバックして撮ろうにもすぐに海なので、2本同時に画像へ収めることができませんでした。
 沖合から船で近付いたら難なく撮影できるでしょう。
 
 2本の滝はどちらもゆうに50メートルは越える堂々たる高滝です。
 こんな滝がまだ南三陸にあったとは、いくら現物を目の当たりにしても信じられない気分。
 「何なんだここは。びっくりさせ過ぎだろ。」 とは隊員の声。

 現場に来て、左右2本の滝の位置関係から、ここがなぜ 二ツ水の滝 と名付けられたのか納得しました。
 2本の沢が次第に寄ってきて、その先が断崖になっていたからどちらも滝になったんですね。
 左右どちらかが 二ツ水の滝 というわけではなくて、両方を含んでの 二ツ水の滝 というようです。
 その間の距離はごくわずか。首を軽く振っただけでどちらの滝も眺められます。
 別沢の滝、それも圧倒的な高さから流れ落ちる2本の滝を同時に眺められる稀有な場所。それが二ツ水の滝です。

 印象度はもう  で決まり。
 
 第1弾目から今年度の滝見隊大賞候補が登場してしまった感じで、この先どうすればいいのか途方に暮れそうです。

 追記) 帰途、バイクに乗っている最中太ももが攣ってしまい、激痛に襲われシフト操作ができなくなりました。
 道の駅三陸 にてしばらく休憩。
 普段の不摂生がたたり、しょっぱなからハードもハード、大ハードな冒険行だったからしようがない。
 痛さと共に、隊員からいびられるのをひたすら我慢する小隊長でした。

                                             
                                          首崎半島 無名沢→太平洋




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  1. 2014/03/29(土) 20:14:37|
  2. 大船渡市三陸町の滝

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遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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