南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

源氏の滝 何がなんだか

                                             気仙沼市の滝


 年が改まったのに昨年の話を引きずるのも何なんですけど、「滝見隊大賞」のことだけちょこっと書いときます。

 昨年暮れ、滝見隊の納会を気仙沼市の酒場で開きました。
 毎年恒例になっているもので、議題はただひとつ「滝見隊大賞」を決めるだけ。
メンバーで飲むための口実みたいなもんです。
 その年、初めて見た滝に対して、どの滝がもっともすばらしかったのか、どの滝に感動したかを語る他愛のないもの。
日本レコード大賞とかカー・オブ・ザ・イヤーとか年度代表馬とかのミニミニ版とでもいえばいいのか。
 当然ながらどこからも認知されていないし、純粋に個人的な好みを推薦するので利害関係はまったくありません。
 早く賄賂をもらえるような影響力の大きな選考会になればいいのになあ。 ウソですけど。
 
 条件は、その年が初見の滝であること。南三陸の地元の滝か、その周辺部に存在する滝であること。
 絶対条件は水がきれいであること。どんなにドデカい滝でも水が汚れていれば、即失格です。
 あってはいけないことですが、見た目きれいであればいいので、たとえ致死量のセシウムに汚染されていてもOKです。
 あくまで感動した度合いが選考基準。滝の大小は問いません。
 知られざる滝であればあるほど、行き難い滝であればあるほどポイントがUPします。
 つまり、滝を発見した時に、 「おっ!」と言うか、「おおっ!」と言うか、はたまた「おおおっ!」と叫ぶかで得点が変わってくるという次第。

 思いだすのは大震災のあった年。
 この年も性懲りもなく納会を行いました。
 沿岸部の酒場が壊滅してしまったので、知人の倉庫を借りて挙行したのですが、いかがわしい男たちが電気もない倉庫で大声上げてわめき散らしている、良からぬことをたくらんでいるに違いない、と思われたのか、警察に通報され倉庫のドアの前にパトカーを横付けされるといった出来事がありました。
 こちらは宴もたけなわの時にいきなり警察官に踏み込まれてギョッとしたし、警察官にしても、ランプだけの倉庫の中で、何やら人相風体のあやしい男どもがテーブルを囲んでいたので犯罪の匂いを嗅いだに違いありません。

 そして2013年暮れ、例年通り侃々諤々怒鳴り合いののしり合いになるかと思いきや、意外にすんなり大賞は決定しました。
 岩手県釜石市の2つの滝、大槌町のひとつの滝も候補に上がりましたが、より地元に近いということで2013年滝見隊大賞は、岩手県住田町にある 不老滝 (仮称)に決定。

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 その年発見した地元の滝では、存在感が抜きん出ていますから異論らしい異論はほとんど出ませんでした。
 よくまあこんなすばらしい滝が世間に公表されずマークもされずに残っていたものよのう、と驚くやらうれしくなるやら。
 飛びぬけて大きな滝ではないものの、世界観があり神秘性にすぐれた滝だと思います。
 神秘性を形作っているのが、滝の周囲を埋め尽くすほどの苔。
 これがあるとないとでは景観がまったく様変わりしてしまいます。
 夏の豪雨で周囲の苔に大きなダメージが及んでしまったことが気がかり。
 (画像は豪雨以前のものです)

 それにしても、年々新たな滝を発見していったら、そのうち南三陸から未知の滝が無くなるんじゃないかと不安を覚えます。





 それでは、2014年しょっぱなの滝、宮城県気仙沼市の 源氏の滝 に入らせていただきます。

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 一見しただけではあまりパッとしない滝です。
 崖上に林道がありますが、崖下の陰になり、上からは見えません。
 岩盤はしっかりしています。ゆるやかな斜瀑。上流に人家や田畑がないので水がきれい。

 源氏の滝 の名前の由来は、源義経の愛馬 太夫黒 がこの地気仙沼市鹿折(ししおり)の産だったからといわれています。
 ただ馬の産地に関してはいくつか異論もあり、岩手県千厩町であったとか、同じく岩手県一関市東山町松川の産だったとかもいわれています。
 太夫黒は、元々岩手の豪族藤原秀衛が「淡澄」という黒鹿毛の馬を、源頼朝の助っ人として出陣する義経に贈ったのがその名の元になったというのが定説。
 一ノ谷の合戦で一躍その名を轟かせ、数々の合戦で活躍。その後合戦の際矢を受け死亡。岩手に帰還することはありませんでした。

 それから後、岩手に戻った義経が愛馬として飼っていたのが黒鹿毛の 小黒 という馬らしい。
 その小黒号の生まれた地が宮古市川井地区にあるけれど、いやいやここ気仙沼市の鹿折こそ小黒号の産地だという話もあり。
 北行の際、岩手県住田町の赤羽峠で死亡し、遠野市内の神社に祀られた、というのが通説。
 しかしこれにも異論があって、義経が平泉から気仙沼に向かう際、白毛の小黒号が突然亡くなり、その亡骸を埋葬したら、やがてそこから白い藤の花が咲きだした、という場所が岩手県一関市千厩町に今でも実在しています。

 まあ、何が何だかです。


 源氏の滝のすぐ上にも滝が連なっています。

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 名前がないので、鹿折不動の滝 とでも呼べばいいのか。
 なぜなら、すぐ横の崖上に不動尊があるから。

gjk04.jpg

 そっけない造りですね。鳥居すらありません。


 実は、この鹿折川支流は源氏の滝よりもっと有名なものがあります。
 それは、金。
 伊達正宗の頃に発見された金鉱がこの山にありました。
 現在ほとんど跡形もありませんが、案内看板を読むとびっくりさせられます。
 明治後期の採掘最盛期には金の含有量が鉱石の20%にもなっていたとか。
 通常、金の含有量は鉱石1トンに対して0.5g以上あれば経済的にペイできるレベルだそうですから、まさにとんでもない金山だったのです。
 そしてモンスターゴールドと呼ばれた純度85%、重量2.25kgの金塊が掘り出されたのもこの鉱山だったそうです。純金といってもいいような塊。(ちなみに現在の金相場価格では、1グラム4250円として2kgだと850万円に相当。)
 その金塊があった鉱山の入口。第四坑口というらしい。

gjk08.jpg
 
 大震災で崩れてしまったのか、再整備中でした。
 シートで塞がれた奥が坑道入口。
 以前来た時にはこんな手が加わって無くて、穴を木の杭で塞いだだけのものでした。

 この山には金を掘るため坑道がいくつもあったそうな。
 林道の近くにはこんな穴も。

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 人間が楽々入れる大きさ。暗くて奥をうかがい知れず。
 もしかしたら、現在でも沢をさらってみれば、砂金くらいは採れるかもしれませんね。

 鉱山への登り口(源氏の滝入口でもあります)には、新しい金山資料館の横にこれも真新しい金山神社が建てられていました。
 ご神体はどういうわけか1580kgもあるモンゴル産の岩塩。
 金山神社と岩塩。その関連性の無さに、なんでやねんと突っ込みを入れたくなりました。

gjk01.jpg

 触ってもOKなので、ペタペタ触ったあげく手をちょっと舐めてみたらなるほどしょっぱかったです。
 でもこんなことしてたら、そのうち無くなりませんかね?


                                        支流→鹿折川→気仙沼湾



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  1. 2014/01/02(木) 17:22:24|
  2. 気仙沼市の滝

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遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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