南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

横川の滝群 1  風の谷のマジすか?

                                           住田町の滝


 起床したらいきなり身体が重い。
 小隊長は巨漢だけれど、体重のせいではありません。
 なにやら頭痛もする。
 前日、雨と時折襲ってくる強風の中を一日中外仕事したためか。
 これはひょっとするとひょっとするぞ、と不安になったものの、本日は隊員総出動をかけているから、小隊長自身が突然キャンセルするわけにもいきません。
 ええい、なるようになるべと風邪薬を栄養ドリンクとともに胃に流し込みヨロヨロと自宅を出ました。
 住田町の待ち合わせ場所にはどう見ても風体の怪し過ぎる3名がすでにバイクを囲んでスタンバっていました。
 「遅い。」 とニーハオ隊員。
 「んだから深酒止めろっていってんのに。」 と気仙沼の滝バカ。 
 「違うって。 自分と一緒にすんじゃねえつーの。」

 今回我々が突撃するのは、岩手県住田町にある気仙川支流、火の土川のさらに支流、横川です。

 岩手県南部には四十八滝と呼ばれる川がいくつか存在しています。
 それだけ滝の多い川だということですが、中には看板倒れの川も。
 横川は看板こそ挙げていないけれど、気仙有数の滝銀座のひとつ。
 それこそ、滝を登れば次の滝、それを越えるとまた次の滝といったふうに、川全体が岩盤でできているんじゃないかと思うほど。

 2万5千分の1の地図を見ると、横川には堰堤記号の上流に3つの滝マークがあります。
 実際には堰堤はひとつだけではなくいくつもあるし、滝も無数にある川です。
 
 地図上では山道が川に沿ってあるように見えます。
 しかし相当古い山道で、一部崩壊していますし、道の上にはササヤブと樹木が大きく成長しています。
 道が道ではなくなっています。
 登れば登るほど川との高度差が広がるため、滝を見るためには使えない道です。

 そんなわけで、3度目の今回も始めから沢登りでした。
 ゴルジュ帯で沢沿いには登れず、高巻きしなければいけない箇所もあります。
 全体としては、ゴロゴロした大岩が少なく岩盤主体なので、まあ登りやすい方でしょう。
 装備さえちゃんとして行けば、景観が良くとても楽しめる沢です。

 「もし途中で具合が悪くなったら、俺だけ先に帰るから、あとはよろしくな。」と宣言して、いざ沢に突入。
 天候は晴れてはいるものの、風が強く、動いている時はいいですが、立ち止まると谷を抜ける風に寒さを覚えました。
 きれいな水ながら、やはり今の時期、水に濡れた岩がベロベロ滑ります。
 足場に十分気を付けなくては。
 途中1度だけ両足が滑って転落しそうになりました。
 川まで高さがあったので一瞬ゾッとしました。
 水面に直接ダイブするならともかく、岩に当ったのでは大怪我は免れません。

 
 無数にある滝のうち、今回は地図上に記されている3つの大滝と、それと同等なひとつの滝だけを紹介します。

 まずは大きな堰堤を越え、最初に現れる大滝。
 
yk01.jpg

yk02.jpg

 ひとつの滝ではなく、いくつかが組み合わさった複合滝です。
 恰好は悪いですが、迫力があります。
 水量は雨が少ない時なので、そう多くはありません。
 増水したらどんだけの迫力になるのか。

 そこから200mくらい登った場所に流れる2番目のマークの滝。

yk03.jpg

yk04.jpg

 画像で見るよりずっと大きな滝です。
 こちらも同じ複合滝。
 2つの滝とも、樹木の葉が落ちてしまった時期のためか、日が射し明るい印象です。
 ただ苔が冬季でくすんでしまい、見た目が落ちます。

 これより上流にも2滝に勝るとも劣らない滝があります。

yk05.jpg

 斜瀑ながら落差はかなりあります。
 横の岩盤を登っていきましたが、非常に滑りやすく、細心の注意が必要でした。

 そしてトリともいうべき3番目の滝。
 これこそ以前紹介した横川最上流の大滝 です。

yk06.jpg

yk07.jpg

yk08.jpg

yk09.jpg

yk10.jpg

 前回は積雪がある中を、山頂から下ってこの滝に到達しました。
 あの時は滝壷に嵌ったりして苦労したなあ、と思ひ出ぽろぽろ。
 横川でもっとも滝らしい滝。横川を代表する大滝です。

 滝壷の前で昼食になり、川の水を沸かして、ラーメンとコーヒーを製作。
 美味いんだなあ、これが。家で食べるものと同じだとは到底思えません。
 小隊長はカップラーメンに付いてくる焼豚がダシガラっぽくてあまり好きではなく、いつも釣り師にあげていました。
 それを何の気なしに自分で食べてしまったから、さあ大変。
 もらえるものと思っていた釣り師。「えっ?俺にくれないの、豚?」

 帰りは、元来た沢沿いに降りるか、それとも崖をよじ登って山道に出るか迷いました。
 小隊長の体調が思わしくないので、岩場を下りていくのは危険と判断し、山道の方を選択。
 
 4人で崖を登っている最中、不思議な音を聞きました。
 かすかですが、しかしはっきりと遠吠えのような声を聞いたのです。
 「ん?」と見合わせる顔と顔。
 3名がその声?を聞きました。
 「まさか・・・オオカミじゃねえよな・・・?」
 「とっくに絶滅してっから、いるわきゃねーべ。」
 「しかも、今昼だし・・・。」
 「でも、聞こえたよな?」
 「もののけの悲鳴じゃねえのか?」
 「え?何?何?」 と釣り師だけは聞いていませんでした。
 皆から聞かされても「マジスか?」
 考えるに、強風のため樹木がこすれ合った際の音が、谷に流れてそのような音になったのではないか。あるいは、鹿狩りに連れて来た犬じゃないかと推察しました。
 東京の国立博物館に所蔵されているニホンオオカミのはく製は、明治期にこの近くの五葉山山中で捕えられたものだそうです。
 もしかしたら今でも人里離れたこの山中に・・・というのは単なる願望ですよね。
 でもいてくれたらなあ・・・。

                                      横川→火の土川→気仙川




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  1. 2013/11/25(月) 22:04:33|
  2. 住田町の滝

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Author:小隊長

遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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