住田町の滝
住田町を流れる横川源流の滝を紹介します。
横川は気仙地方を代表する滝の多い川。水の透明度も抜群。
滝だけで構成されているんじゃないかと思うほど次から次と滝が現れます。
まさに滝銀座。
その数、とても四十八滝どころじゃなく、八十八滝、いや九十九滝以上かも知れません。
中流域以上はほとんど岩盤だけでできた沢です。
ただ、行くとなるとかなり疲れます。
林道は途中から大きく外れます。そしてそこからが滝銀座の始まりになります。
その先は沢登りオンリー。両側から山が迫り、河原はごく僅かです。
深い淵があると高巻きをしなければならず。当然ヤブコギ。
それほど高い滝はなく、あったとしても段瀑なので直攀できます。
昔は川に沿って林道がありました。
はるか高い位置にガードレールが残っているのを川から仰ぎ見ることができます。
笹薮だらけで樹木が伸び放題、どこが道やらといった状態。
相当に古く、今ではあちこち大崩壊して滝探しにはまったく使いものになりません。
今回は、火ノ土川沿いの林道から登って行き、山頂部から横川源流域を目指しました。
まだまだ積雪が多く、山頂部は雪に覆われていました。
吹き溜まりでは太ももまで入るほど。
沢に降りるまでツボ足状態。
こちらにも道がないため、ヤブコギの連続でした。
イバラや背丈以上の笹薮をかき分け、しゃにむに斜面を降りて行きました。

横川最上流の滝。
これより上には滝がありません。ぬかるんだ湿地帯になっています。
印象度


続いて下流に現れた滝。こちらも



ここで小隊長、大チョンボ。
滝はゆるい斜瀑で、岩も滑らないので何ということもなく降りようとしたら、足を下ろした位置が悪く、尻もちをつくような形で転倒。そのまま滝壷へ。
ウェーダーを履いていたためにずぶ濡れになることはありませんでしたが、ウェーダーの上のすきまから水が入り、下半身が濡れてしまいました。転んだはずみで岩に当りカメラにもキズが。
よもやこんなことになるとは考えもしなかったので、着替えは長袖Tシャツのみ。
同行したニーハオ隊員から着替え用のパンツと靴下を借りました。ズボンはしぼって再使用です。
カメラは偏光レンズのネジヤマが潰れ、再びカメラに装着できなくなりました。
動き回って汗をかくほどでしたが、山の気温はおそらく2~3度くらいしかありません。
そのうち体温が水に奪われて冷えて来ます。そのまま探検続行という訳にはいかなくなりました。
「スマン。次の大滝見たら撤退すっぺ。」
「はいはい。分かってます。」
大滝というのは地図にも載っている横川最上流の大滝のことです。
谷は下れば下るほど深くなっていきます。
再び斜面をワッセワッセ登り、ガサゴソヤブコギを続け、大滝を発見して急斜面をヨロヨロ降下。
滝の落ち口に降り立ち、何もないままでは滝下まで降りることができないのでザイルを投下して降りて行きました。

これが横川大滝です。
滝の流れが「人」の形になっています。

落差・水量申し分なし。もちろん水質最上等。
広くて深い滝壷もあります。迫力があるし堂々たる存在感。
「すげえな・・・。」
「すげえ・・・。」


我がミスでひどい目にあっても来たかいがあるというもんです。
周辺は見渡す限りの自然林。広葉樹に覆われています。
時々鹿の鳴き声が聞こえて来ました。あとは滝音が谷にこだまするばかり。
すばらしい滝でこれといった大きな欠点が見つかりません。
めったに人の入らない大自然の中の大きな滝で、水質もいいとなればまさに鬼に金棒。
ただただうっとり眺めるのみ。やっぱ三陸の滝はええわと再認識しました。
何か足りないものはといえば、やや苔が少ない点くらいか。
でも山に春が来たら、それも変わるかもしれません。
印象度





帰途は自分たちの残した足跡を忠実に辿って戻りました。
そうしないとどこがどこやら方向感覚が分からなくなります。
源流部分は沢が消えて丘陵地帯になり、周囲がどこも同じような景色に見えます。
草木が密生するようになったら、マーキングでもしないと迷子になるかもしれません。
横川⇒火の土川⇒気仙川
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- 2013/03/30(土) 18:54:52|
- 住田町の滝
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