南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

気仙沼の2滝

                                          気仙沼市の滝

 気仙沼にはろくな滝がない、と何度か書いてきました。
 実際その通りで、気仙沼市でもっとも名の知られた源氏ノ滝でさえ、名勝だとは大声出して言えないような姿をしています。一般的にイメージする滝らしい滝ではありません。
 じゃあ他にないのか、といえばさにあらず。
 これまで当ブログでUPしてきたように、知名度こそ劣るものの、源氏の滝を越えるものがいくつか存在しています。
 小隊長は、気仙沼を代表するのは鹿折川系上西側沢の滝しかないと思っています。
 再UPしたいところですが、山中の雪が深くてまだ行くことができません。
 で、次点になりますが、今回黒沢姉妹滝と河童の滝壷を撮ってきたので再UPします。
 南三陸の平野部には積雪がありませんのでどうにか行くことができました。
 前回は気仙沼隊員のUP画像、小隊長としては初です。
 どちらも気仙沼を代表してもいい滝格を持っています。
 でも代表とするには残念ながらやや難があります。

 まずは黒沢姉妹滝から。

DSC04424.jpg
 全景。

DSC04423.jpg
 上段の妹滝。

DSC04425.jpg
 下段の姉滝。

 知名度0です。でもすばらしい佇まいをしています。
 穏やかで神秘的な雰囲気を感じる滝です。
 水量はいつもこんな感じで季節的変化は少ないようです。
 もう少しあればなお良かった。水質も良好。
 滝そのものに関してはほとんど欠点がありません。
 だめなのが環境。
 周囲を見渡すと、すべてが鬱蒼とした杉林に覆われているのです。
 杉の人工林は陰気だし季節が変わっても色彩に変化がありません。
 だからいつ訪れても同じ景観ということになってしまいます。

 杉の人工林は緑の砂漠です。いくら青々とした森でも、見せかけの自然でしかありません。
 日の射す時間でも地面まで光が届かず、陰気に静まり返っています。
 下草が生えず、虫がおらず、鳥の鳴き声もめったにしません。獣の気配もありません。
 それまでいろいろな生物を支えてきたバラエティー豊かな植生が、杉だけの単相に塗り替えてしまったためです。
 こんな場所を歩いても気分は暗くなるばかり。ジメジメと暗く開放的にはなりません。

 年がら年中濃い緑色で紅葉になることもなく、春先には大量の花粉を飛ばしてアレルギーを引き起こします。
 人工杉は根が浅く、広葉樹のように水を蓄えることもできないので、大雨が降ると崖崩れを防ぐこともできません。広葉樹なら降った雨をアベレージ化して川に流し山を守ります。杉にはそれができません。
 成長が早く建材に向いているというので、戦後それまであった自然林を手当たり次第伐採し山を覆い尽くすほど杉を植えて来ました。山を削り至る所に林道や作業道を建設したため、それまでの植生がすっかり変わってしまいました。人間がひんぱんに入るようになると同時に外来植物が侵食してきたのです。
 
 その杉が建材として伐採する時期が到来したというのに、現状はどうでしょうか。
 安価な輸入材に太刀打ちできず、さりとて手も入れられず放置されている山のなんと多いことでしょう。
 せっかく植えた杉を伐採しようにも、高齢化が進んで労力も馬鹿にならぬ。コストもかかる。入札に出してもコスト以下。これではアホらしくて放っておいたほうがいい。かくして山は荒れ放題となるわけです。
 こんなことでいいんかい!と山に入るたび憤懣やるかたない小隊長ですが、自分には何の力もなくどうすることもできません。

                                     黒森沢⇒八瀬川⇒大川⇒気仙沼湾

 

 気分を変えて、次は河童の滝壷です。
 知名度は源氏の滝に次ぐと思います。
 でも気仙沼市民の大部分は源氏の滝すら知りません。
 何かの機会に、気仙沼生まれで気仙沼在住の母親に気仙沼の滝の話をしたことがありますが、異次元のことを聞いているような顔をされました。
 母親だけでなく、これが一般的気仙沼市民の反応だと思いますがね。

DSC04428.jpg

DSC04429.jpg

DSC04432.jpg

 これもすばらしい滝です。
 岩盤の配置と、落下する水の流れがすごくカッコイイと思います。
 一見深山にある滝のような景観。
 気仙沼市民が名勝として堂々誇れる滝です。
 ただし滝だけならという条件付き。
 なぜなら周辺環境が悪過ぎます。
 この滝は里の滝。大きくいえば市街地にある滝といってもいいでしょう。
 周辺には人家があります。滝の横にも民家が建っています。
 下流では林を伐採中、ブルドーザーが音を響かせていました。
 上流にはゴミ焼却場があります。ゴミ収集車が行き来しています。
 滝のすぐ上には道路があり、あちこちに「ゴミを捨てるな」の警告板が立っています。なるほど崖にはゴミが散乱しています。
 これではどんなに期待しても水質が良かろうはずがありません。見た目はきれいですよ。あくまで見た目だけですが。
 そして周辺はこれまた杉林に囲まれています。
 滝がとってもいいだけに、「ううむ・・・。」と唸ってしまいます。何とかならんもんでしょうかね?
 滝の部分だけ切り取って徳仙丈山の奥深くに持って行けたら、と思ってしまいます。

 環境は置いといて滝自体はホントにいい滝ですので、気仙沼にお越しの際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 
 アクセスを紹介します。
 気仙沼市の国道45号線、田中前の交差点(ホームセンター・クボのある角)を県道65号線に入り徳仙丈山・羽田神社のある山手方向に向かいます。田中前交差点からおよそ2kmほど進んだ所にゴミ焼却場への入口(進行方向に向かって右側)がありますから、500m程坂道を進んでください。その道の崖下に河童の滝壷はあります。
看板などはありません。駐車場もありませんから、滝から少し登った先(左側)に若干広い場所があるので、そこに駐車してください。道路上を少しだけ下ると、滝まで降りる小道があります。沢にぶつかったら、すぐ下流が河童の滝壷です。なお、駐車した場所のすぐ近くには同じ沢の五月雨の滝があります。こちらにははっきりした道がありません。ガードレールをまたいで降りてください。

                                 小滝川⇒神山川⇒大川⇒気仙沼湾








 
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  1. 2013/02/08(金) 22:11:48|
  2. 気仙沼市の滝
  3. | コメント:0
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