南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

あこがれの沢

                                           住田町の滝

 ずいぶん長い間、種山峠を通過するたびにいつかは入ってみたいと思っていた沢がありました。
 種山峠の国道107号線(気仙地区と奥州市を結ぶ重要路線)からは、沢の姿がまったく見えません。
 地図上では「大ワシ沢」という名称のみ記載され、川の流れは未記入。
 つまり常時流れているような沢ではないらしいのです。
 林道も無く、どこから入ったらいいのかすら分からない状態でした。
 分かることは、この沢を登るためには、国道から外れ、大きく蛇行した大股川のほとりまで到達し、川幅と水量のあるこの川を渡河しなければならないということ。
 国道からは深い森に覆われた谷がはっきり確認できます。
 急峻な谷で、もし十分な水量さえあれば、必ずや滝があるであろうと想像されました。
 そしてこの沢の源流部は判官山です。
 源義経が衣川の決戦に敗れ、追手から逃れる途中、この山で野宿したという伝説が残っています。
 「大ワシ沢」という名前といい、「判官山」といい、なにやらロマン漂うエリアではないですか。

 チャンスは、大股川を渡れる水の量が少ない今の時期をおいて他にありません。
 逆に、沢にまったく水が流れていないという危惧もありましたが、その時は滝の在り処さえ分かれば良しとすることにしました。
 現地がどういった状態なのかまったく不明なため、我々滝見隊は、ヘルメット・ザイル・ウェーダー等フル装備でした。

 大股川までは道を見つけたので簡単に到達しました。
 渡河も膝くらいまでしか水深がなく、ウェーダーの必要がないくらいでした。

 そしていよいよ大ワシ沢に突撃開始。
 なお、現地名は「大鷲沢」になっていましたので、ここからはこちらを採用します。
 水量はほどほどにあったのでひと安心。
 古い時代に森が伐採され、その林道跡が残っており、始めのうちはその道を辿りました。
 しかしたちまち消失してしまい、その後はヤブコギに次ぐヤブコギの連続。
 沢の上を歩こうにも倒木と藪、そしてクモの巣だらけで、悪戦苦闘を強いられました。
 最近これほど難儀した沢はちょっとないですね。

 肝心の滝はといえば、これが無い。
 行けども行けどもありません。
 それもそのはず、沢の川床は砂利ばかりのザラ瀬なのです。
 そして思ったほどの傾斜がなかなか現れません。

 隊員からは、「隊長、よくも騙しゃあがったな」とか「俺、この沢に滝無かったら、隊員辞めっかんね」とか聞こえてきました。
 「いやいや、無い訳がないんだ。とにかく急傾斜になるまでがんばっぺし!」と叱咤激励。
 なおもけつまずきよろめきながらヤブコギ前進。
 ようやく傾斜がきつくなり、目の前に山が立ちはだかるようになりました。
 するとそれまでのザラ瀬がウソのように、あきらかに岩が多くなってきたではありませんか。

 そしてついに岩盤が連続する場所まで登って来ました。
 やっと滝らしい滝を発見です。

DSC03459.jpg

 三陸でよく見られる形状の滝。  

 ここからは小滝が次々現れました。

DSC03461.jpg

  

P9230027.jpg

  

 そして、大鷲沢のメーンといえる滝に到達。

DSC03466.jpg

 けっこう大きめのサイズ。広い滝壷。苔の付き具合も良好。
 案じた通り水量があまりないので、迫力という点では欠けます。
 水量さえ足りれば見違えるような滝になるはずですが、そうなると大股川を越えてこちらまで来れない不安もあり。
 山が眼前に迫って景観的にはなかなかよろしいかと思います。
 水質に関しては、どの滝もまったく文句がありません。おいしく飲める水です。

  印象度  

 残念ながら期待していた大滝は見つかりませんでした。
 それでもまずまずの滝があることが分かり、入渓した当初の不安が消え安堵しました。

 大鷲沢は途中で2股に分かれた沢で、もう1本は未踏です。
 もしかするとそちらに大滝が隠れている可能性も否定できませんが、今回はヤブコギに手を焼いてそこまで登る気力が無く、心残りながら撤退しました。
 大股川の河原まで戻ってきた隊員の衣服には全身びっしりと草の実が貼りついて、取り去るのに一苦労。まるでサルのノミ取りのような光景が繰り広げられました。

                                     大鷲沢⇒大股川⇒気仙川

 

 付記

 こちらも大股川支流、篠倉沢です。
 これこそ渓流というにふさわしい川です。
 ミニ奥入瀬渓流といったイメージで、春の新緑、秋の紅葉、実に美しい。
 川と林道が隣り合っているため渓流美を真近に満喫できます。
 わざわざ奥入瀬渓流に行かずとも、ここで十分楽しむことができます。
 十和田湖のような湖こそありませんが、奥には大きな滝もありますし、観光地ではないので人がめったに来ません。
 欠点は道がダートでぬかるみやすいことと、車のすれ違い困難個所があること。
 しかし、スタックするような場所はありませんし、平地といってもいいほど傾斜の無い道です。
 おすすめです。

P9230003.jpg






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  1. 2012/09/23(日) 21:29:37|
  2. 住田町の滝
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