南三陸滝見隊

********** 岩手県沿岸南部から宮城県沿岸北部を中心に、滝を探し回るへっぽこ探検隊の自然派ブログ。 **********

鵜ノ巣断崖の滝

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 田野畑村の滝


 滝探しにでかけようと、いそいそ車の中に道具を詰め込んでいると、恐れていた家人に見つかってしまった。
 普段であれば 傷口に塩をすり込むような毒舌を吐く御仁が、
 「いい加減スタンド・バイ・ミーごっこは止めたら。 そのうちほんとに死体でも見つけかねやしないから。」
 たまには こじゃれた物言いもするんだな、と聞いてたら、
 「よそ様の死体ならともかく、あんたが死んだら金蔓なくなるんだからね。」
 つーことは オレはヒモでくくられた鵜か。
 まあ家人独特の言い回しで小隊長の身を気遣っているわけで、普段から仲が悪いわけではないことはお断りしておきます。
 だからといって、いいわけでもないんだけど。 しょっぱなからどうでもいい話で申し訳ないっす。

 というわけで、ヘッドの画像を鵜にしてみました。

 この時期バイクで行くには 遠いし寒いし疲れるしで、今回ばかりは車にしました。 根性ありまへん。
 車だと楽ちんな半面、狭くてガタボコの山道に入る訳にもいかず、行き先がある程度限定されます。
 
 その目的地はどこかといえば、岩手県田野畑村にある鵜ノ巣断崖。
 鵜ノ巣断崖のすぐ横に大きな滝が流れているらしい。
 まだ誰も行ったことがないので、どんな滝か行かなきゃ分かんない。
 メンバーは4名。 2名ずつが2台に分乗。 
当初は燃費を考え1台に全員が乗って行くことも考えました。
 しかし むさい男どもがぎゅう詰めで長距離走るのはあまりに鬱陶しい。
 帰りは誰かに運転をまかせ、後部座席で横になる腹積もり。 
 あんまし寝てないから、こんな時 車だと助かる。
 

 海岸から回れば、潮の干満で見る時間が限定され、波が荒ければそばに近付くことさえできない滝。
 見るためには、あらかじめ潮汐表で干潮の時間を狙わなければいけません。
 内陸では考えられないロケーションですね。

 まずは、上から崖を降りることができないものかと、鵜ノ巣断崖の公園内へ向かいました。
 は~るばる来たぜ、田野畑~♪。 
 宮城県境に住んでる身には遠い場所です。行きは良い良い、帰りはどうなる?

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 駐車場から断崖へ向かいます。 徒歩で約500m。
 道がチップで固められているため、フカフカで気持ちいい。
 でもやっぱ、500mは長い。 老人や身体の不自由な方は気の毒。
 そんな人達のためだけでいいから、もっと断崖近くに駐車場を造れないものだろうか。
 スペースは腐るほどあるっちゅーのに。
 観光客は10名ほどが散策していました。 北山崎から比べたらずいぶん少ないんじゃないべか?

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 定番の景観。 展望台から北側を望む。

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 さて、滝は見えるか、と断崖の南端部へ行ってみましたが、見えるどころではない、とんでもない断崖です。
 「おい、押すなよ、押すなよ。」 と恐々下を覗きこめば、こいつら冗談でも押しかねない連中だからこわい。
 断崖は到底歯の立つシロモノではございません。 
 降りようと考えることすら無謀というもの。 我々にとっちゃ異空間のレベル。
 こんなところでスタンド・バイ・ミーごっこなんてやったら、たちまち4名とも即死です。
 我々はとりあえず分別ある大人ですので、冒険ごっこで死人を出さないためにも引き返さざる得ませんでした。

 となると次の手は、鵜ノ巣断崖へ入った道を戻り、国道を引き返し、南側へ大きく迂回して、海岸へ降りることでした。
 北から回り込むのは、スパイダーマンでもないとまったく不可能。 南からしか進撃できない場所なのです。

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 鵜ノ巣断崖から南の海岸線を眺めた画。
 右上に小さく鉄塔のようなものが確認できるかと。
 滝見隊はあそこから海岸まで下ったのでありました。

 
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 回り込んだ突端には、御殿崎自然休養林という場所がありました。
 その昔、海賊の住む豪華な御殿があったところからこの名が付いたとか。

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 パーキング・トイレ・東屋・ベンチ完備。展望台もあるらしい。場所が知られていないせいか、寂れて無人でした。
 案内看板を見る限り、アスレチックのできるいろいろな遊具が設置されているらしい。
 いっさい興味のない滝見隊は中へは入らず。 
 潮汐の関係があって、遊ぶ時間もありません。あったからって、遊びませんけど。

 ここからおよそ150m下の海岸まで 恐ろしく急な斜面をどうやって降りるのか。
 地図には、山道の点線が記入されていますが、牧草地をウロウロしたあげく、どこを探しても見つけられませんでした。
 で、いつもの 「行けばどうにかなるべよ。」 方式を採用して、藪に突入。

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 こんなところをガサガサ・バリバリと枝を払いながらひたすら降りて行ったら、

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 山道らしき場所にぶつかりました。
 画像で見ても何処が山道なんだかよくお分かりにならないと思います。
 実際、藪だらけでしばらく人が歩いた形跡がありません。 からくも道だと分かる程度。
 しかも途中でどこが道なんだか判別できないこともあったし。 倒木・崖崩れがあちこち。

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 草木をかき分けかき分け高度を下げて行ったら、ようやく樹間から海原が見えるように。

 ヘルメットは被っているし、ザックは重いしで、ヒーヒー云いながらどうにか海岸線まで降りてきましたが、難所は続きます。

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 海岸に出る手前のヨシ原。
 背が高くて前は見えないし、足元は湿地。
 足を取られてなかなか前に進めません。
 イライラがつのります。

 そこを抜けると、

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 足がズブズブ潜りこむ、沼のようになった川。

 そして海岸線は、砂地ではなく石の堆積した浜です。 ゴーロ歩きがしばらく続きました。
 足を乗せれば動くし、滑るしで、こんなんほんま苦手ですわ。

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 ようやく目の前に現れた海。 視界が開けて気分も晴れます。

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 正面に鵜ノ巣断崖がそそり立っています。
 高さ200m。ハンパねえ。

 断崖が見えたからといってまだ安心できません。
 この先、最大の難所が待っているのです。

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 それは、この波打ち際を通過しなければならないこと。
 潮汐表が必要なのがこれでお分かりになったかと。満潮時に来たらだまってUターンしかありません。
 おそらく大震災の前なら、通れるスペースがまだあったと思います。
 しかし地盤沈下を起こして、現在はこれだけのスペースしかありません。
 それも干潮時をねらって来たのに、です。
 もう少し時間が経ったら、波は完全に岩壁にぶつかるようになるでしょう。
 我々が通る時でも、しぶきが身体に当りました。
 潮が満ちる前に帰って来なければ、行き場を失います。 急がねば。
 しかし、ゴロタ石ばっかりなので、気が焦ってもなかなか前に進みません。

 そしてついに姿を現した滝。弥生沢の大滝です。

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 計る物がないので分かりにくいですが、目の前の岩盤は巨大です。 圧倒される規模。

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 やったど~っ! ああ、しんど。

 波打ち際から100mほど奥まっている場所。
 海にダイレクトで流れ落ちる滝ではありませんが、まず海岸瀑といってもいいのじゃないでしょうか。

 もっと滝下まで近付きたいと思って、手分けして登れそうな岩盤を探しましたが、何処を見てもオーバーハングしてるし、その上にも不安定に乗っている巨岩が多く、危険過ぎて登るわけにはいきませんでした。

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 大滝の下にも直接海岸まで落ち込む滝が流れています。
 滝の上には、落下して来た巨岩がはさまっています。
 落下した水はその場で地面に吸い込まれ、海まで地表を流れる水はありません。
 印象度  

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 存在感がビシバシ伝わってくる大滝。

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 もっと時間があれば、周囲をゆっくり探して登る手掛かりを見つけ出すこともできたのでしょうが、潮が満ちたら帰れなくなる不安が先立ち、おちおち滝を眺めている余裕はなかったです。

 周囲の景観とあいまってすばらしい滝です。
 ごく大雑把に10mくらいの落差かな。
 まわりのスケールがでかすぎてよく分からなくなります。
 滝下から計ったらもっとありそう。
 荒ぶる流れではないですが、周囲すべてが巨大な岩石で、非常に男っぽい感じがします。

 滝の流れる弥生沢は、北の田野畑村と 南の岩泉町の境界線上にあります。
 大抵の場合、川の中央線が境界になっているのですが、地図で見た限り、この沢は田野畑村に区分されているようです。
 
 水は見た目きれい。
 上流は、台地状になった場所で、人家が点在し、農地があり畜舎があります。
 飲めるような水質ではないはず。

 印象度 

 こんな滝見られてえがった、と思わずにいられません。 恐い思いをして来ただけの価値はありました。
 150mの下降・急登があり、ヤブコギがあり(海岸から上の広場まで全行程)、さらに潮を被る波打ち際を通らなければ見られない滝で、難易度は相当高いと思います。
 滝見隊は、スキルなし・体力なし・根性なしでおまけに時間までなくて結局できませんでしたが、滝下まで登るにはロッククライミングも必要になり、さらに難易度は上がります。
 行くなら十分な装備と覚悟が必要。 断崖なのでヘルメット必携です。
 でも我々アホバカ隊ならともかく、あえて見に行こうなんて奴いるかなあ。

                 
                     岩手県田野畑村 鵜ノ巣断崖          弥生沢 → 太平洋


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  1. 2015/10/17(土) 23:14:54|
  2. 田野畑村の滝

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Author:小隊長

遠くの有名滝より近くの無名滝。 隠れた素晴らしい滝を探すのが楽しみ

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